元Jリーガー澤昌克、財政難のペルー1部ムニシパルに“3度目”の加入 「縁を大切にしたい」

リベラ監督から過去にもオファーを受けていた澤。「若手の見本」として期待される【写真提供:デポルティボ・ムニシパル】
リベラ監督から過去にもオファーを受けていた澤。「若手の見本」として期待される【写真提供:デポルティボ・ムニシパル】

不動産会社がクラブの借金約5億円を肩代わり リベラ監督は過去にも澤へオファー

 昨季、前期は4位だったが、後期はチームの借金を理由に勝ち点を計5点剥奪され、最下位に甘んじた。そして今年1月、リーグへの供託金約7500万円を支払わなければ、アマチュアの地域リーグ降格となる緊急事態に直面した。各チームに分配される1億円以上の放映権料も昨年の時点で今年の分を使い果たしており、メーンスポンサーを務める不動産会社が15日、供託金を含め、チームの借金計約5億円を肩代わりすることで合意。役員ら幹部を一新することで、チーム消滅の危機を脱したという。

 チームの経営問題が注目を集めるなか、会長や監督から澤のもとに電話があったのは1月17日。15日にチームの存続が決まったわずか2日後だった。すでに他のチームはシーズンに向けてキャンプインしており、これ以上チーム編成に時間を要している余裕はもうなかったのだ。

 チームの選手の半数は下部組織から昇格した若手。澤はペルー人のビクトル・リベラ監督から「このチームは若い選手が多いので、若手の見本になるように、いい影響を与えてほしい。来るからには年齢に関係なく、ポジションを勝ち取れるように練習から日々努力して頑張ってほしい」と言われたという。

 同監督にとって、澤は以前から獲得したい選手だった。澤はリベラ監督がウニベルシダ・デ・サン・マルティン・デ・ポレスを指揮していた06年から獲得の打診を受けており、同年オフにはペルー1部のコロネル・ボロネーシで40試合11得点と結果を残した澤のもとに、実際にオファーが舞い込んだ。10年オフにも、柏と契約を更新した翌日に、リベラ監督が率いることになった同1部のウニベルシダ・セサル・バジェホに来ないかと誘いがあった。澤は今回、ようやく実現した縁を喜び、「まずはチームが1部に残留できるように。それをクリアしたらリベルタドーレス杯やスダメリカーナ杯の出場権が獲得できる上位を狙っていきたい」と、意気込んでいる。

 18年に柏でプレーした澤は、昨年前半はチームが決まらず、自宅のあるリマで半年間の浪人生活を送った。そして後期はペルー2部のウニオン・ウアラルに加入。6試合で3得点を挙げた。

「チームを1部に昇格させることができなかったのは悔しくて仕方なかったが、自分はまだまだプレーできるんだという選手としての自信を持つことができた」

 それだけに、今は再び1部のチームでプレーできる喜びに満ちている。

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