「同じ2年生として活躍しなきゃ」

　そして、2点目を挙げたのはMF鍬先だった。右サイド奥深くで相手ボールを奪うと、中央につないだところに走り込んで右足を振り抜き、ニアサイドを破る鋭いシュートを決めた。「自分の前のスペースに思い切って飛び込みました。ボールが来たらシュートを打とうと思っていました。決められて自信になります」と笑顔。「藤川が決めて、同じ2年生として活躍しなきゃと思いました」と、MF藤川のゴールが大きな刺激になったとも話していた。

　鍬先は星稜のキーマンだったMF大橋滉平を抑え込み、東福岡に主導権を引き込む大きな役割を果たした。試合前の段階で「そこから星稜は裏への攻撃をしてくる。ボールを持たれたら、ファーストディフェンスをしっかりしようと確認していました」と、中盤の引き締め役として躍動した。

　「二冠を達成します」と、鍬先は力強く宣言した。17年ぶりの選手権制覇を目指す東福岡にとって、準決勝で勢いに乗る2年生コンビが出現したことは大きな追い風になりそうだ。

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轡田哲朗●文　text by Tetsuro Kutsuwada