南野拓実、攻守一体の“現代的アタッカー”への誇り 地元紙も評価「完全な主力に開花」

守備への意識が極めて高いと評価を受けている【写真:Getty Images】
守備への意識が極めて高いと評価を受けている【写真:Getty Images】

南野が持つ守備へのこだわり 「1対1では絶対に負けない」

 ナポリ戦でも、そんな南野の守備は効果的だった。ポジションはトップ下。相手センターバックがボールを持っている際には、ボールサイドのダブルボランチに詰めていくのがファーストミッション。そこで相手からサイドチェンジをさせないように、確実にパスコースをつぶしながら、プレスをかけることが求められる。

 この時、相手の近くでただ立っているだけではプレッシャーにはならない。だからと不用意に飛び込みすぎると、上手い相手には体を入れ替えられてしまう。サイドバックへパスが出たら、状況に応じて相手のパスコースを切ったり、プレスに加わって一気にボールを奪取したり、パスをそこからさらに展開されたらすぐに次の動きへと移っていく。このあたりの戦術理解と守備への精力的なアプローチがないと、自分たちの守備が薄いところにあっという間にボールを運ばれて、ピンチの要因となってしまう。そのあたりのこだわりを、南野はしっかりと持っている。

 これまでも、ことあるごとに自分の守備への働きかけについてコメントしていたことがある。

「(大事なのは)まず守備ですね。守備のところで1対1では絶対に負けない、と意識していました」

「(攻守を)両立するっていうのは自分のいい部分だと思っている。ハードワークをして、最後の質の高い選手というのが求められていると思う。そういうところは前向きにトライしています」

「闘う選手というのを見せないといけない。(競り合いで)負けるとチームに迷惑がかかるので、そこは意識して、そのなかで攻撃で上手くどうつなげていくかというところを意識していました」

 自分の特長が、攻撃にあることへの誇りも自信もある。だからといって、守備を疎かにするつもりは毛頭もない。サッカーはチームスポーツだ。そのためにやるべきことを理解して、取り組むことは必須条件と言える。ナポリ戦では多くの時間帯で相手の攻撃を上手くコントロールし、チームとして何度も狙いどおりに相手をサイドへ誘導し、ボール奪取できる状況を作り出していた。

 攻守ともに高いレベルでチームのためにもプレーできて、個人の力も発揮できる。さらに大きく成長していくための大事な下地を身につけている。だからこそ、ここからのステップアップがとても期待できるのだ。

(中野吉之伴 / Kichinosuke Nakano)


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中野吉之伴

1977年生まれ。武蔵大学人文学部欧米文化学科卒業後、育成層指導のエキスパートになるためにドイツへ。地域に密着したアマチュアチームで様々なレベルのU-12からU-19チームで監督を歴任。2009年7月にドイツ・サッカー協会公認A級ライセンス獲得(UEFA-Aレベル)。SCフライブルクU-15チームで研修を積み、2016-17シーズンからドイツU-15・4部リーグ所属FCアウゲンで監督を務める。『ドイツ流タテの突破力』(池田書店)監修、『世界王者ドイツ年代別トレーニングの教科書』(カンゼン)執筆。最近はオフシーズンを利用して、日本で「グラスルーツ指導者育成」「保護者や子供のサッカーとの向き合い方」「地域での相互ネットワーク構築」をテーマに、実際に現地に足を運んで様々な活動をしている。

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