南野拓実、攻守一体の“現代的アタッカー”への誇り 地元紙も評価「完全な主力に開花」

南野拓実のCLでの活躍は海外でも注目が集まっている【写真:AP】
南野拓実のCLでの活躍は海外でも注目が集まっている【写真:AP】

CL3試合で好パフォーマンス 地元紙「移籍市場で熱視線を注がれる存在へと成長」

 オーストリアの地元紙「ザルツブルガー・ナハリヒテン」紙は、日本代表MF南野拓実について「昨シーズンまで指揮官を務めていたマルコ・ローゼの下では“スーパージョーカー”の域を超えることが残念ながらできなかったが、今季ジェッセ・マーシュ監督の就任後、ザルツブルクでエルリング・ホランドと並ぶ完全な主力選手として開花している。やっと移籍市場で熱視線を注がれる存在へと成長した」と論じていた。

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 UEFAチャンピオンズリーグ(CL)のヘンク戦(6-2)、リバプール戦(3-4)、ナポリ戦(2-3)における攻撃での活躍は、多くのメディアで取り上げられている。だが、南野の特長は攻撃だけではない。守備における貢献も、守備の実行レベルも非常に高い。どれだけ巧みに攻撃へ絡めていたとしても、現代サッカーでは守備における決まり事をこなせない選手に与えられるポジションは、ほとんどないのだから。

 では、攻撃の選手における守備での大事なポイントはなんだろう。良く見受けられるのが、自分のミスでボールを奪われた時は奪い返そうと走り出すが、味方選手が失ったボールに対する反応は鈍感で、数秒間足を止めてしまうという点だ。サッカーは攻撃、守備がバラバラに行われているわけではない。攻撃をしていても不利な状況に追いやられ、すでに守備に意識を向けておかなければならない段階もある。そうした局面の“変化”に敏感に反応できないと、対応は遅れてしまう。

 時間にすれば、ほんの数秒かもしれない。ボールロスト時に「何やってんだよ」と思って足を止める数秒間、「ボールを取られちゃったな」と考えることを止める数秒間――。だが世界のトップレベルでは、その数秒が命取りになってしまう。「あ、守備をしなきゃ」と動き出したところで、すでに相手はより良いポジションに入り込み、そこにパスが出た後で追いかけても後の祭り。そうしたところへの意識が低い選手は、監督からしたらやはり計算がしにくい。攻撃センスばかりを持ち上げられながら、レギュラーポジションを獲得できないオフェンス選手には、そうした問題点が残念ながら分かりやすく露見してしまっていることが多いように感じられる。

 南野の場合、そうしたタイムロスが少ない。いつでも、次のプレーに向けてすぐに動き出している。時にボールロストをした選手がそのことを悔やんでいる間、一気に追い抜かし、ボール奪取に体を張ってみせる。

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中野吉之伴

なかの・きちのすけ/1977年生まれ。武蔵大学人文学部欧米文化学科卒業後、育成層指導のエキスパートになるためにドイツへ。地域に密着したアマチュアチームで、さまざまなレベルのU-12からU-19チームで監督を歴任。2009年7月にドイツ・サッカー協会公認A級ライセンス取得(UEFA-Aレベル)。SCフライブルクU-15チームで研修を積み、16-17シーズンからドイツU-15・4部リーグ所属FCアウゲンで監督を務める。『ドイツ流タテの突破力』(池田書店)監修、『世界王者ドイツ年代別トレーニングの教科書』(カンゼン)執筆。最近はオフシーズンを利用して、日本で「グラスルーツ指導者育成」「保護者や子供のサッカーとの向き合い方」「地域での相互ネットワーク構築」をテーマに、実際に現地に足を運んで精力的に活動している。

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