久保建英、“大金星”に見えたマジョルカでの現在地 レアル番記者「トップ下のほうが…」

「カデナ・コペ」のレアル番記者ミゲル・アンヘル・ディアス氏【写真:高橋智行】
「カデナ・コペ」のレアル番記者ミゲル・アンヘル・ディアス氏【写真:高橋智行】

スタメンに限りなく近い“12番目の選手”という捉え方も…

 この試合結果を受け、スペイン紙「AS」、「マルカ」ともに久保には1点(最高3点)を付け、そこまで高く評価しなかった。

 スペインのラジオ局「カデナ・コペ」でレアルの番記者を務め、北米遠征にも帯同し、レアル入団後から久保を見続けていたミゲル・アンヘル・ディアス氏は、「今日はクボにとって、プレシーズンをともに過ごした元チームメートとの対戦であり、満員のスタジアムで特に大きなモチベーションがあったはずだ。30分間の出場だったが、マドリー相手に悪くなかったと思うよ」と及第点を与えた。

 そして、「今日は少しサイドから外れてプレーをしていたんじゃないかな? でも、もう少しトップ下に近いところのほうが、より良いパフォーマンスを見せられると思う。今日はそんなに目立ってはいなかったが、ボールを持った時は何度かペナルティーエリアに果敢に入っていたよ」と、久保のプレーに対し、もっと中央寄りのポジションのほうが向いているのではという見解を示した。実際に久保は、スペイン紙「マルカ」のインタビューで好きなポジションにトップ下を挙げている。

 レアルに勝利し、9試合を終えて3勝1分5敗の勝ち点10で15位となり、降格圏を脱出したマジョルカは次節、10月26日にアウェーでレガネスと対戦する。これまでの流れを考えれば、久保は再びベンチスタートが濃厚だろう。

 しかし代表ウィークという不利な状況のなか、強豪レアル相手に1人目の交代枠で30分もの出場時間が与えられたということは、モレノ監督のスタメンに限りなく近い“12番目の選手”という捉え方もできる。さらに31日には、ミッドウィークのオサスナ戦があるため、先月の第6節アトレチコ・マドリード戦(0-2)のように、久保に再びスタメンのチャンスが与えられる可能性もあり、パフォーマンス次第で、その序列を変えることができるかもしれない。

高橋智行

たかはし・ともゆき/茨城県出身。大学卒業後、映像関連の仕事を経て2006年にスペインへ渡り、サッカーに関する記事執筆や翻訳、スポーツ紙通信員など、スペインリーグを中心としたメディアの仕事に携わっている。

今、あなたにオススメ

トレンド