“左サイドハーフ”浅野拓磨、スピードスターが切り開く新境地 ポイントは「足し算と引き算」
タジキスタン戦で途中出場して1得点 スピードを生かして“らしい”プレーも見せる
森保一監督率いる日本代表は15日、カタール・ワールドカップ(W杯)アジア2次予選タジキスタン戦(リパブリカン・セントラル・スタジアム)に臨み、3-0で勝利を収めた。左サイドハーフとして途中出場し、チーム3点目を決めたFW浅野拓磨(パルチザン)は「足し算と引き算をしながらプレーしないといけない」と、独特の表現で現在のポジションについて語っている。
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日本は前半、アグレッシブに試合に入ってきたタジキスタンに苦戦を強いられるが、後半に入ると巻き返す。同8分にMF南野拓実がヘディングで先制ゴールを叩き込むと、2分後には再び南野が決めて2点目。そして同37分には浅野がダメ押しのゴールを決め、タジキスタンに引導を渡している。
2-0で迎えた後半19分、MF中島翔哉(ポルト)に代わって投入された浅野は、そのまま左サイドハーフのポジションに入った。「練習もあのポジションだったし、自分のチーム(パルチザン)でもそのポジション。チームのプレーを見て使われたと思う」と話すように、現在の“主戦場”とも言える場所で輝きを放つ。
持ち前のスピードを生かし、サイドで裏を突く動きを繰り出しつつ、時にはコンビネーションから危険なエリアに侵入してゴールを狙う。ゴールの場面こそ逆サイドからのクロスにヘディングで合わせるシンプルな形だったが、約30分間のプレーで“らしさ”は十分に発揮できていたと言っていい。
本来はFWだが、「サイドでやるということは、守備も前(FW)でやるより求められる」と語るように、ポジションに合わせて求められるプレーも変化。同時に攻撃面での武器を埋没させないようにしながら、「良い意味でサボることも含め、賢くプレーしようと試行錯誤している最中です」と明かす。そのバランス感覚を、次のように独特の表現で語った。
「攻撃では自分の特徴を生かせればチャンスは生まれると思うし、そのタイミングや爆発的なスピードを出すところ(が重要)。守備の部分でスピードや体力を使うのか、足し算と引き算をしながらプレーしないといけない」
ポジションを移して攻守に役割が増えたからこそ、最大の特徴であるスピードの“出しどころ”は研ぎ澄まされていく。新境地を開拓する“ジャガー”は、まだまだ伸びしろを残している。
(片村光博 / Mitsuhiro Katamura)