「フットボール? それとも柔道?」 U-23ブラジル代表DF、激怒の“イッポン”に現地注目

U-23ブラジル代表主将のDFリャンコ【写真:Getty Images】
U-23ブラジル代表主将のDFリャンコ【写真:Getty Images】

親善試合チリ戦で相手の悪質タックルに激昂、騒動後には“喧嘩両成敗”に

 来年の東京五輪に向けて、各国アンダー世代の代表は準備を進めている。サッカー王国ブラジルのU-23代表は現地時間9日に国際親善試合でU-23チリ代表と対戦し、3-1と勝利を収めるなど順調な歩みを見せているが、試合終盤に乱闘騒ぎが発生。両チームに退場者が出るなど、試合内容と結果以外の部分でも注目を浴びる事態となっている。

 試合はチリがPKで先手を取ったものの、ブラジルがFWマテウス・クーニャ(RBライプツィヒ)の2得点、さらにクーニャのアシストからFWアントニー(サンパウロ)が決めた3点目によって3-1と逆転勝利。5日にはU-23コロンビア代表を2-0で破っているブラジルは、東京五輪に向けてしっかりと強化が進んでいる印象だ。

 一方で、チリ戦の後半33分には想定外のハプニングも発生した。この試合で何度も美技を見せていたブラジルの10番MFペドリーニョ(コリンチャンス)がドリブルでキープを図ると、一度はかわされたチリのDFマティアス・イバカチェ(CDコブレロア)が追いすがり、背後からペドリーニョの右足をすくい上げる悪質なタックルを敢行。これにブラジルのチームメートが激昂して揉み合いが発生すると、最後はDFリャンコ(トリノ)がイバカチェを両手で抱え上げて投げ飛ばすという蛮行に及んだのだ。当然ながら、イバカチェとリャンコは両者とも退場処分を受けている。

 ブラジルメディア「グローボ・エスポルチ」は、「フットボール? それとも柔道?」と題して、この一件を報道。次のように描写している。

「イバカチェの2度にわたるペドリーニョへのタックルが、ピッチ上に混乱を撒き散らした。ブラジルのキャプテンであるリャンコは争いを終わらせるために馳せ参じ、イバカチェから“イッポン”を取った。騒ぎが終結すると、2人には退場が宣告されている」

 親善試合とは思えないほどの白熱ぶりだったが、「グローボ・エスポルチ」が「100%のフレンドリーマッチ」と伝えているように、両チームとも強化に向けて本気で取り組み、1試合を大切にしていることの裏返しでもある。両国は五輪予選を勝ち抜き、東京の地でさらなる“本気モード”を見せることができるだろうか。

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