長谷部も苦しむグロインペイン症候群 その発症のメカニズムと治療法とは

発症しやすい3タイプの選手

1.臀部の筋肉が固い

「股関節が開いた状態になりやすくなるので、臀部の筋肉を使いづらい状態になります。キックやターンの際に内転筋や恥骨部にストレスがかかりやすい懸念が生まれます」

2.腰痛を抱えている

「ハムストリング(もも裏)や、アキレス腱の固さが原因で、骨盤周囲の支持性が低下し鼠径部にストレスがかかる懸念が増えます」

3.過剰なトレーニング

「これは若年世代に多いですが、腹筋やお尻の筋肉強化などの特定部位の過度な強化、そして、シュートやロングキックなど特定動作の過度なトレーニングにより鼠径部にストレスがかかる懸念が生まれます」

 複合的な要因が絡み合い発症するグロインペイン症候群だけに、他にも発症する要因は存在するという。肩甲骨や、胸郭という胸や背骨、肋骨などで囲われた部分の可動性が悪化して引き起こされるもの。足首や膝のケガのリハビリが不十分で、可動域制限がある中でトレーニングを再開させること。お尻の筋肉の筋力不足により、鼠径部にストレスがかかる懸念が生じるという。

 発症後、具体的な治療へのプロセスはどうなるのだろうか。

「長谷部選手は恥骨炎という報道ですが、MRIやCTなどの精密検査で、チームは明らかな問題がないか精査を進めていると思います。筋損傷や疲労骨折などの問題があれば、筋肉や骨組織のダメージを改善する治療が必要になります。明らかな問題が見つからなかった場合、リハビリで改善を図る必要があります」

 

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