EL予選でファン暴走 主審が頭部負傷、発煙筒も爆発…仏紙「厳罰を下すことになる」
EL2次予選クライオバ対ホンベードで事件発生 第4審が退場した主審の代役務める
欧州ビッグクラブのプレシーズンツアーや移籍市場が多くの話題を提供している一方、UEFAチャンピオンズリーグ(CL)とUEFAヨーロッパリーグ(EL)の予選はすでにスタートしている。欧州トップレベルのカップ戦出場に向けて白熱した戦いが繰り広げられるなか、ファンが暴走して問題となるケースが出てしまった。
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トラブルが発生したのは、EL2次予選のCSUウニベルシタテア・クライオバ(ルーマニア)対ブダペスト・ホンベード(ハンガリー)の第2戦。第1戦を0-0で終え、第2戦でも0-0のままPK戦に突入したが、延長後半の終了間際に事件が起こった。
興奮したファンがスタンドから発煙筒を投げ入れ、これがアーノルド・ハンター主審の至近距離で爆発。さらに投げ入れられた物体がハンター主審の頭部を直撃し、うずくまって動けなくなってしまったのだ。事態に気付いた副審や運営スタッフによって介抱され、医療スタッフによる治療が始まるなか、救急車もピッチに入ることとなった。
最終的に救急車による搬送には至らなかったものの、ハンター主審の試合続行は不可に。35分間の中断を経て、異様な雰囲気の中で第4審が代役を務め、PK戦を3-1で制したクライオバが3次予選に駒を進めることとなった。
試合が最後まで執り行われたことも驚きだが、英紙「ザ・サン」によると、運営スタッフは没収試合とすることによってさらなる暴力事件に訴えられることを危惧したという。“敵地”での暴動にアウェーチームが感じていた恐怖は想像に難くなく、「ホンベードのジュゼッペ・サンニーノ監督は試合中止を求めていた」とも伝えられている。現地では前日の夜に両チームのサポーターが衝突しており、その延長線上に事件が発生したとの見方が強いようだ。
試合結果はクライオバの突破となっているが、ホームでの暴動が“お咎めなし”となる可能性は極めて低い。フランス紙「レキップ」は「クライオバが次のラウンドに進めるかは定かではない。UEFA(欧州サッカー連盟)は本件を問題視し、厳罰を下すことになるだろう」と報じている。ファン・サポーターの熱狂はサッカーの魅力の一つだが、今回はその危険性がクローズアップされる事件となってしまった。