コパ・アメリカ決勝で1得点1アシストの活躍も…後半に2枚目の警告を受け退場

　ブラジルは現地時間7日、ペルーとのコパ・アメリカ（南米選手権）決勝に3-1で勝利し、4大会ぶり9回目の大会制覇を成し遂げた。この試合で良くも悪くも主役となったのはFWガブリエル・ジェズスだ。1ゴール1アシストの活躍もありながら後半に退場処分を受けたが、ピッチを去った後に号泣、さらに第4審判員席の屋根や今大会で物議を醸したVAR（ビデオ・アシスタント・レフェリー）判定時に使用するモニターなどに“パンチ＆張り手”を浴びせたと、英紙「デイリー・ミラー」が報じている。

　試合は前半15分、右サイドの高い位置でボールを受けたジェズスが、マーカーを幻惑するドリブルからクロスを送ると、完全にフリーとなったFWエベルトンが右足ダイレクトで蹴り込み、先制点をゲットした。

　同44分にPKでペルーに同点ゴールを許したものの、同アディショナルタイムにMFアルトゥールがドリブルで持ち込み、フリーになったジェズスに横パス。これを背番号9が冷静に蹴り込んで、2-1と勝ち越しに成功した。

　しかし後半25分、ジェズスにまさかの事態が訪れる。空中戦での競り合いで相手に遅れて入ったジェズスのプレーに対し、主審はイエローカードを提示した。すでに前半30分に警告を受けていたため、2枚目の警告で退場。ブラジルは残り時間を10人で戦うハメになってしまった。

　直前のプレーでペルー守備陣の激しいタックルを浴びて悶絶するなど、フラストレーションを溜めていたジェズスは、この判定に不満を爆発させた。審判に対して食ってかかりピッチをなかなか去らず、ようやく去ってもピッチサイドに置いてあったペットボトルの水を蹴り上げる。そして試合映像ではピッチに出てくる通路の中で大泣きし、審判の判定がおかしいと叫ぶ姿も捉えられていた。

　そして同紙はこれらの抗議だけでなく、あるシーンも写真に収められていたと紹介。それはジェズスが、第4審判員が座る席の屋根と今大会での運用が疑問視されてきたVAR判定用のモニターに、強烈な“右ストレートと張り手”を見舞った瞬間だ。「試合運営者はVARが地面に倒れないように、それを支えていた」と描写している。今大会で右ウイングという新境地を開拓したジェズスだったが、大仕事を果たした後の判定に納得がいかなかったことは間違いない。