森保ジャパンの功罪 成功遂げた選手にロマンを感じるも…指揮官の対応力に一抹の不安

日本代表を率いる森保監督【写真:AP】
日本代表を率いる森保監督【写真:AP】

3試合で共通して見えたのは試合中の対応遅れ、チリ戦では崩れたバランスを修正できず

 各セクションで“オーバーエイジ枠”の選手を起用し、結果的にGK小島亨介(大分トリニータ)、DF菅大輝(北海道コンサドーレ札幌)、MF伊藤達哉(ハンブルガーSV)、MF松本泰志(サンフレッチェ広島)、MF渡辺皓太(東京ヴェルディ)の5人は未出場に終わった。それでも2020年の東京五輪に向けて強い競争意識を植え付け、ポジション争いを活性化させた点はポジティブに捉えていい。

 南米勢を相手に11人が代表デビューを飾り、DF杉岡大暉(湘南ベルマーレ)やDF板倉滉(フローニンゲン)、MF久保建英(FC東京→レアル・マドリード)、MF三好康児(横浜F・マリノス)など、今後A代表にも食い込みそうな選手の存在は収穫だろう。

 選手たちは貴重な経験を積んだが、それは指揮官にも同じことが言える。森保監督にとっても手腕が問われる場となり、チリ戦の大敗から短期間で修正を施し、ウルグアイ戦に間に合わせた点は称賛に値する。2失点を喫したものの、陣形をコンパクトに保ちながら守備ブロックを形成し、強豪と互角の打ち合いを演じた。

 その一方、3試合で共通して見えたのは試合中の対応遅れだ。今大会は4-2-3-1を主戦システムとして採用し、チリ戦では左サイドハーフに中島、右にFW前田大然(松本山雅FC)を起用。しかし、2人は守備への戻りが遅れてぽっかりとスペースを作り、そこから簡単に侵入を許した。崩れたバランスに修正を施すのは指揮官の仕事だが、結果的に2ボランチや両サイドバックの負担が増すなかで失点を重ね、最終的に4失点を喫している。

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