「ウルグアイ戦出場14人」を金田喜稔が採点 「最高級」と称賛のプレー、“物足りない”選手は?
コパ・アメリカ第2戦で南米の強豪を相手に2-2ドロー 「岡崎ここにあり」を示した前線からの守備
日本代表は現地時間20日、ブラジルで開催されているコパ・アメリカ(南米選手権)グループリーグ第2戦でウルグアイ代表と対戦し、2-2と引き分けた。東京五輪世代の若手が中心となっている日本は、第1戦でチリ代表に0-4と大敗。この試合にはスタメン6人を入れ替えて臨んだなか、代表初先発となった三好康児(横浜F・マリノス)が2ゴールを奪う活躍を見せ、常に先手を奪う試合展開となった。
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コパ・アメリカで最多優勝15回を誇るFIFAランク8位のウルグアイを相手に善戦した若き日本代表を、識者はどのように見たのか。1970年代から80年代にかけて「天才ドリブラー」として日本代表でも活躍した金田喜稔氏が、この一戦に出場した全14選手を5段階で評価(5つ星が最高、1つ星が最低)。チーム全体の試合の入り方を称えたうえで、「コパ・アメリカの舞台で強豪ウルグアイを相手に、高い位置からの守備が機能し、メンバーが変わったなかでも前線4人で攻撃を完結する形を作れた価値は大きい」と、堂々とした試合運びを評価。2ゴールの三好に唯一の“5つ星評価”を与えた。
◇ ◇ ◇
<FW>
■岡崎慎司(レスター)=★★★★
どんな相手にも岡崎は岡崎のプレーに徹する――その凄さを改めて我々に見せてくれた。日本が序盤から攻守に良いリズムでゲームを展開できたのは、ファーストディフェンダーとしての岡崎の貢献度が非常に大きかったから。ここぞという時の体を張った守備は、大迫(勇也/ブレーメン)にもないスペシャルなもので、最前線で相手のボールホルダーに対し「(パスコースを)切りに行く」のではなく、「奪いに行く」ディフェンスができる。トップ下の安部とともに迫力ある守備を見せながら、攻撃面でも前半3分に三好のクロスをニアでシュート。前半10分にも安部のクロスにヘディングで合わせるなど、しっかりとシュートを放つことでチーム全体にゴールへの積極的な姿勢を植えつけた。「岡崎ここにあり」というプレーを、ウルグアイ相手に示した90分だったと思う。
<MF>
■中島翔哉(アル・ドゥハイル)=★★★★
相手がどうあれ、戦術がどうあれ、ウルグアイ相手にも中島らしい仕掛けのプレーを見せたが、結果的に90分で「シュート1本」というのは珍しい。これはウルグアイの守備のしつこさが一因で、1人目のマーカーが外されても絶対に2人目がシュートコースを消すなど、中島がボールを受けた瞬間からの守備は徹底していた。裏返せば、それだけ中島のキープ力、突破する意識が相手に脅威を与えていたということ。シュートは1本だったが、ゴールへの“姿勢”はいつもどおりだった。後半に入り、“マルセイユルーレット”を見せるなど脅威を与えた一方、相手の厳しい寄せにはまって、ボールをかっさらわれるシーンがあったのはマイナス材料。それでも2点目のゴールを演出する仕掛けからの杉岡への完璧なパスなど、中島の存在がチームに与えたものは大きかった。
金田喜稔
かねだ・のぶとし/1958年生まれ、広島県出身。現役時代は天才ドリブラーとして知られ、中央大学在籍時の77年6月の韓国戦で日本代表にデビューし初ゴールも記録。「19歳119日」で決めたこのゴールは、今も国際Aマッチでの歴代最年少得点として破られていない。日産自動車(現・横浜FM)の黄金期を支え、91年に現役を引退。Jリーグ開幕以降は解説者として活躍。玄人好みの技術論に定評がある。