久保、安部らの不在を埋めるのは? U-20日本代表、“ニューヒーロー”登場にかかる期待

(左から)西川潤、中村敬斗、斉藤光毅【写真:Getty Images & Noriko NAGANO】
(左から)西川潤、中村敬斗、斉藤光毅【写真:Getty Images & Noriko NAGANO】

「追いつき追い越せ」のメンタリティーを備える“飛び級組”に注目

 そういった意味では、J2の横浜FCで評価を上げるMF斉藤光毅や来季のセレッソ大阪加入が内定しているFW西川潤(桐光学園高)といった一つ下の世代からの“飛び級組”に注目したい。ともに単独で局面を打開する力を持っており、下の世代ながらすでにJの舞台で結果を残し始めている勢いもある。上に追いつき追い越そうとするメンタリティーも備えており、彼らが活躍することでチームの士気を高めていくことができるはずだ。

 そして、もう1人名前を挙げたいのがG大阪の中村敬斗である。3月のポーランド遠征、4月の国内合宿で未招集だったことを考えると最後の枠に滑り込んだと言えるが、一昨年のU-17W杯で見せたインパクトは強烈な記憶を残している。ドリブルを武器とするアタッカーが、新たな違いをチームにもたらす可能性はあると言っていい。

 FC東京のFW田川亨介や川崎フロンターレのFW宮代大聖を含めて、ここで活躍すれば東京五輪へのアピールにもつながる。東京五輪に向けたサバイバルに参戦するためにも、攻撃陣の奮起に期待したいところだ。影山監督は次のように話している。

「彼らの持っているものを思い切って出させられるような準備をしたいと思いますし、出せるような選手を選んだつもりです。そして僕はチームの立ち上げの時からずっと、うまい日本代表と言われたくはないんだよと(言ってきた)。本当にこの年代の日本代表は戦える選手たちだし、戦うチームだよと。本当に見ていて誇らしいよね、という風に言われるような戦いを、W杯でできるように準備したいと思っています」

 すでにU-20W杯で戦うメンバーは決まった。彼ら21人のフルパワーを出して世界の強豪と戦うことが、今後の日本代表の成長へとつながっていく。この経験を一つも無駄にしないために、そして世界のトップを目指すために、若き侍たちは一丸となって戦地へ赴く。

(林 遼平 / Ryohei Hayashi)



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林 遼平

はやし・りょうへい/1987年、埼玉県生まれ。東日本大震災を機に「あとで後悔するならやりたいことはやっておこう」と、憧れだったロンドンへ語学留学。2012年のロンドン五輪を現地で観戦したことで、よりスポーツの奥深さにハマることになった。帰国後、サッカー専門新聞『EL GOLAZO』の川崎フロンターレ、湘南ベルマーレ、東京ヴェルディ担当を歴任。現在はフリーランスとして『Number Web』や『GOAL』などに寄稿している。

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