森保J、ボリビア戦「パフォーマンス分析」 辛勝のなかでアピールに成功したのは?

MF:中島は途中出場で殊勲の決勝弾 トップ下で先発の香川は10番の真価を発揮できず

■小林祐希(ヘーレンフェーン/→後半23分OUT)=△

 ボランチのコンビを組んだ橋本とは縦関係になる場面も多く、インサイドハーフ気味なポジション取り。サイドチェンジを含めて、ロングボールを意識した配給を淡々とこなした。守備でも球際に激しく当たっていたが、コロンビア戦に先発し、この日途中出場だった柴崎以上のパフォーマンスだったかと言えば疑問符が付く。

■橋本拳人(FC東京)=〇

 外国籍選手に当たり負けしないフィジカルの強さを武器に、中盤の防波堤として実力を発揮。鋭い寄せと激しいチャージで攻撃の芽を摘み、ボリビアの攻撃をスピードアップさせなかった。ゲームメーカータイプではないが、攻撃面でもコロンビア戦では柴崎が担っていた、CBの間に落ちてのビルドアップに参加。展開力が増せば、山口のライバルになり得る可能性を感じさせた。

■柴崎 岳(ヘタフェ/←後半23分IN)=〇

 2列目トリオを後方からサポートし、停滞感のあった流れを払拭。キャプテンマークこそ巻かなかったが、攻守ともにリーダーとしての自覚が感じられるプレーだった。所属クラブでは出番に恵まれないなか、その影響を感じさせない2連戦だったことも評価したい。

■宇佐美貴史(デュッセルドルフ/→後半16分OUT)=〇

「危機感めいたものは一番ある」と言って臨んだ一戦は、天才アタッカーの意地を見せた。チームのファーストシュートを放ち、ロングパスでサイドに散らしながら攻撃を牽引。前半はトップ下の香川ではなく、宇佐美がゲームメイクしていたと言っても過言ではないだろう。立場的にはゴールやアシストの結果が欲しかったところだが、球際でのスライディングも鬼気迫るものがあった。

■堂安 律(フローニンゲン/←後半16分IN)=〇

 G大阪時代の先輩である宇佐美に代わって登場。宇佐美がゲームメイクで魅せたのに対し、後輩の堂安は「流れを変えなければいけない気持ちで入った」と明かすように、持ち前のドリブルで見せ場を作った。中島の決勝ゴールの場面では、相手のミスを逃さずにカウンターを発動。終了間際にも中島&南野との“2列目トリオ”で相手ゴールに襲い掛かっており、短い時間でしっかりアピールした。

■香川真司(ベジクタシュ/→後半23分OUT)=×

 A代表通算97試合目にして初キャプテン。本職のトップ下に入り、序盤は中盤まで下りてボールを捌いていたが、ボリビアが中央を締めたことでパスが入らなくなり、途中交代まで消えている時間も少なくなかった。新体制初参加だけに、1度のチャンスですべてを判断するのは早計だが、今シリーズは10番らしいプレーが影を潜めていた。

■南野拓実(ザルツブルク/←後半23分IN)=△

 中島の決勝ゴールをアシストするなど、攻撃の“中継地点”役を担当。後半33分には中島のシュートのこぼれ球に詰めて強烈な一撃を放ったが、相手GKの好セーブに遭ってゴールならず。“2列目トリオ”の中ではやや縦への迫力が不足していた。

■乾 貴士(アラベス/→後半16分OUT)=×

 前半23分にカットインから決定機を作り出すも、チャンスをものにできず。危機感がにじむ積極的なプレーが裏目に出て、本来であれば考えられないボールコントロールやパスのミスを連発した。ゴールを奪えなかったうえに、代わって入った中島が勝負を決めたとあって、試合後には「(結果を出せず)悔しい」と唇を噛んだ。

■中島翔哉(アル・ドゥハイル/←後半16分IN)=◎

 ボリビアを攻めあぐねるチームを目覚めさせた救世主。コロンビア戦同様、テクニックで相手を翻弄し、次々と縦にドリブルを敢行。後半31分には、堂安&南野との速攻から、マークに来た相手の股下を狙って抜いたシュートで決勝ゴールを奪った。3月シリーズで最も輝いた選手と言っていいだろう。

(出場なし)
山口 蛍(神戸)

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