「どのチームにも負けない」 ルヴァン杯MVPの東京五輪世代DF杉岡が語った勝因は?

ゴール前で体を張ることは「チームの武器だし、そういう責任感をみんな持っている」

 ただ、杉岡は決勝という舞台の難しさを改めて感じていた。

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「結構、体は重かったし、あまりプレーとしては良いプレーできなかったなとは思っています。本当に点を取っただけという感覚なので満足は全然していないですね」

 なかなか自分のプレーを出せず、課題の言葉が口を突いた。

「サイドで何回か良い形で受けられましたけど、(横浜FM)松原選手にほぼ全部止められてしまった。まだまだやらなければという感じです」

 決勝ゴールも評価されて大会MVPに選出されたが、自分の内容には満足できない――。プロ2年目ながら、さらなる成長を目指す男の意思の強さを感じさせた。

 一方で、チームが見せたパフォーマンスについては満足げな表情を見せた。「前半はパーフェクトだった」と振り返るように、前線からのプレッシングなどで対戦相手のストロングポイントを抑えると、後半は押し込まれた時間でも体を張った守備で対抗。そこが勝利を手にすることにつながったと語っている。

「(ゴール前でしっかり体を張ることは)ある意味、このチームの武器だし、そういう責任感をみんな持っている。そこはどのチームにも負けないところだと思うし、それは本当に変わらず出せたかなと思います」。

 一歩ずつ積み上げてきた成果を見せて28年ぶりのタイトルを手にした湘南。そのなかで大会MVPに輝いた杉岡は、残留争いの待ち受けるチームでさらなる活躍を示していく。

(林 遼平 / Ryohei Hayashi)



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林 遼平

はやし・りょうへい/1987年、埼玉県生まれ。東日本大震災を機に「あとで後悔するならやりたいことはやっておこう」と、憧れだったロンドンへ語学留学。2012年のロンドン五輪を現地で観戦したことで、よりスポーツの奥深さにハマることになった。帰国後、サッカー専門新聞『EL GOLAZO』の川崎フロンターレ、湘南ベルマーレ、東京ヴェルディ担当を歴任。現在はフリーランスとして『Number Web』や『GOAL』などに寄稿している。

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