日本代表CBで異例の“10代先発デビュー” 19歳の冨安がポジション争いに加わる意義

A代表デビューを飾った19歳DF冨安健洋【写真:田口有史】
A代表デビューを飾った19歳DF冨安健洋【写真:田口有史】

パナマ戦の先発に名を連ねた東京五輪世代の冨安、19歳341日でA代表デビュー

 森保一監督率いる日本代表は、新体制2試合目となる12日のキリンチャレンジカップ・パナマ戦に3-0で勝利した。MF南野拓実(ザルツブルク)とMF伊東純也(柏レイソル)のリオデジャネイロ五輪世代の二人が、9月のコスタリカ戦(3-0)に続く2戦連続ゴールを挙げた一方で、もう一つのハイライトが東京五輪世代の19歳DF冨安健洋(シント=トロイデン)がいきなりスタメンでA代表デビューを飾ったことだった。10代のDFがスタメンデビューを飾るのは、1993年のJリーグ発足以降では3人目。ディフェンスリーダーとして期待されるDF吉田麻也(サウサンプトン)も、「僕のためにも競争は激化したほうがいい」と若手の突き上げを歓迎した。

 今回のメンバーで最年少の冨安はアビスパ福岡の下部組織からトップチームデビューし、昨年にはU-20ワールドカップ(W杯)にも出場。今年1月、ベルギー1部のシント=トロイデンに移籍して出場を重ね、A代表に初招集された。

 パナマ戦前日には「今回の合宿ではあまり調子が良いわけではない」と明かしていたが、森保監督はスタメンに抜擢。19歳341日でのA代表デビューとなったが、93年以降で10代のDFがA代表デビューを先発で飾ったのは二人のみ。日本代表最年少出場記録を持つDF市川大祐(17歳322日/1998年4月1日韓国戦/当時・清水エスパルス)、DF内田篤人(19歳305日/2008年1月26日チリ戦)という顔ぶれと、センターバック(CB)としては初であることを考えれば、冨安の快挙がいかにエポックメイキングな出来事かが分かる。

 身長188センチの体を生かして1対1や空中戦で強さを発揮した冨安に対し、後方から見守ったGK権田修一(サガン鳥栖)は「能力と質が高いのは練習から見ていて分かる。この舞台で、あの年齢で自分の良さを出せるのは普通じゃない」と脱帽。CBでコンビを組んだDF槙野智章(浦和レッズ)も「あの体格で人にも強く、高さもあり、スライドやアジリティーも良いものを持っている。もっとリーダーシップを持てれば良い選手になると思う」と太鼓判を押した。

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