日本戦“派遣拒否”が浮上していたパナマ代表 待遇改善求めた選手会の主張が認められ来日へ

選手会側が待遇改善を求めていたパナマ代表。連盟とリーグ側が歩み寄り8日に来日する【写真:Getty Images】
選手会側が待遇改善を求めていたパナマ代表。連盟とリーグ側が歩み寄り8日に来日する【写真:Getty Images】

地元紙が報道、選手会側の主張にパナマ連盟やリーグ側が歩み寄る

 10月12日に新潟で日本代表と親善試合を行うパナマ代表が、今日8日に来日する。国内リーグの一部の試合がFIFAの規則に反する過密日程で行われたことから、同国のプロサッカー選手会が9月下旬、パナマサッカー連盟やリーグ側に対して、規則違反だとして抗議文を提出。FIFAの規定を守る旨を正式書類で回答しない場合は、10月のアジア遠征(12日の日本戦及び16日の韓国戦)に選手を派遣しないと通達し、代表選手たちもそれに同意していた。

 地元紙「パナマ・アメリカ」など現地報道をまとめると、選手会側はほかにも、国内リーグのプロ選手の最低年棒額の増加、女子代表選手のギャラなど、労働者としての選手の環境改善を要求。このすべての要求に対し、選手会側にはまだ一部の回答は正式書類では届いていないが、同国サッカー連盟やリーグ側が歩み寄りの姿勢を見せたことから、選手会側は選手派遣を決定した模様だ。

 代表チームは現地時間6日に国内組4選手と監督らチームスタッフがパナマを出発し、ロサンゼルスでMLS(メジャーリーグサッカー)でプレーする選手らと合流。8日に来日し、新潟で欧州組とも合流する予定だ。

 パナマ代表のアジア遠征への選手未派遣の火種となっていたのは、9月21日20時から行われた国内リーグ戦、プラサ・アマドール対インデペンディエンテ戦だった。プラサ・アマドールはその前の試合となるスポルティングSM戦を9月19日20時から行っていたため、その試合の終了時刻(22時頃)から46時間後にインデペンディエンテ戦がキックオフされていた。

 FIFAでは国内リーグなどの公式戦では、試合と試合の間には48時間以上の間隔を空けなければならないという規定があり、パナマリーグでもこの規定に基づいてリーグ戦が行われてきていたが、この試合に関しては規定が守られていなかった。

 そのため地元紙「パナマ・アメリカ」は、今回の騒動について「問題が解決しない場合、(選手の権利関係の交渉が合意に至らず、ベストメンバーを組めずに国際試合を戦った)デンマークのようにフットサル選手を探してアジアに派遣しなければならないということも最悪あり得る」と解説していた。

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