「最後に一刺しできるものは残す」 浦和、勝利を呼び込んだ“大槻采配”の真相

「勝ち点3を目指す姿勢を我々は見せなければいけない」

「もちろん勝ち点ゼロは嫌でした。そして、相手に勝ち点3を与えたくないので、勝ち点1は頭にありました。そのなかでも多くのサポーターがいるので、勝ち点3を目指す姿勢を我々は見せなければいけないのではないかと、その責任を感じていました。その時間から1-1で良いという姿勢で90分が終わるかというと、そうではない。最後に一刺しできるものは残しておきたいというところで、武藤が残っていた」

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 その言葉の通り、押し込まれる展開を耐えて後半34分にMF青木拓矢からの縦パスにMF武藤雄樹が抜け出して決勝ゴールを決めた。このプレーについて「前々日にオズワルドがトレーニングでやった形そのままでした。スタッフを含め、監督を中心に選手とともに作り上げたものです。一つのプレーに対して皆で準備した結果が出て良かった」と話す。低調だったMFマルティノスを前半のみで下げる決断を下したが、ハードワークしつつ裏抜けのできる武藤をピッチに残したことが生きた。

 1点を勝ち越した後には、残した交代枠を使ってMF阿部勇樹を入れて全体を引き締め、横浜FMのサイド攻撃に対しても武藤のポジションを下げて対応。狙い通りの勝ち点3を手にした。クラブの分析担当も務めた経験を持つヘッドコーチは、連敗続きのなかで暫定監督に就任して無敗のままバトンを引き継いだ4月に続き、残留争いに本格参戦する瀬戸際だったチームを救う手腕を見せつけた。

(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)



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