次代を担うなでしこ、今大会ブレークの有吉が成長誓う 「悔しさを次に」

最高の舞台で味わった悔しさ

 決勝を戦い終えた、なでしこジャパンのDF有吉佐織(日テレ)は、「本当に残念ですけど、これが実力差かなと思うので、しっかり受け止めたい」と悔しさをにじませた。
 5日(日本時間6日)のワールドカップカナダ大会は決勝戦でアメリカに2-5で敗戦。なでしこジャパンは準優勝という結果になった。右サイドバックで先発した有吉は、守備陣の一員として「早い時間帯に1点決められて、立て続けに3失点してしまったのが大きかった」と、悪夢のような開始16分間の4失点を悔やんだ。
 有吉は、前回の2011年ドイツ大会で優勝してからの4年間の日本女子サッ カー界で、最も実力を伸ばした選手だといえる存在だった。メンバー23人中17人が前回大会と同じ名前で構成された中、レギュラーポジションを確保した。それだけに「自分の中では夢の舞台だったので、初戦から夢の中にいるような感じだった」と、無我夢中で大会を戦い抜いた。終わってみれば、大会全7試合のうち6試合にフル出場。540分間のプレータイムは、主将のMF宮間あや(岡山湯郷)と、エースのFW大儀見優季(ヴォルフスブルク)に次ぐ長さだった。
 彼女のサッカー人生は、順風満帆ではなかった。日体大3年時の08年に北京五輪前の合宿でメンバー候補に名を連ねたが、負傷もあってメンバー入りはかなわず。4年時の09年には左膝前十字靱帯(じんたい)断裂に見舞われ、それを乗り越えて10年に なでしこリーグ日テレ入りを果たした。そこで、学生時代のFWからサイドバックへとコンバートされた。代表デビューは12年2月のアルガルベカップだったが、失点に絡んで悔しさを噛みしめた。12年ロンドン五輪ではメンバー候補に入ったが、最終的にはサポートメンバー。本大会への出場はならなかった。それでもサッカーと向き合い続け、実力を伸ばしてきたことが15年のカナダ大会につながった。

 

page1 page2

今、あなたにオススメ

トレンド

ランキング