W杯優勝戦士リトバルスキーが「ハメス攻略法」を指南 活路は“マラドーナ対策”にあり

フラストレーションを与えて、プレーの精度を落とさせるのが最も現実的かつ効果的だという【写真:Getty Images】
フラストレーションを与えて、プレーの精度を落とさせるのが最も現実的かつ効果的だという【写真:Getty Images】

ボールを持った瞬間に四方から全員でプレスをかけて自由を奪う

「ハメスは芸術家です。ピッチ上では雄弁にサッカーの喜びを表現する。アーティストに気持ち良い演奏をさせてはいけない。そのためには道具を奪うしかない。つまり、ボールを渡さず喜びを奪うんです。かつて、西ドイツ代表もアルゼンチン代表の“マラドーナ”対策として導入した手法です」

 西ドイツ代表は1986年大会決勝で敗れていたアルゼンチン代表に、90年イタリア大会決勝でリベンジを果たした。アルゼンチンの天才MFディエゴ・マラドーナを止めたのはDFギド・ブッフバルトだったが、実際にはチーム全員で封じ込めたという。

「ハーフウェーラインを過ぎたら、彼がボールを持った瞬間に近い距離の選手は全員アタックする。四方からプレッシャーをかけるんです。マラドーナがサイドに来た時には、私もプレスを仕掛けました。スペースを与えなければ、彼は才能、クオリティーを示せない。イライラさせること。ハメスのような大物を止めるには、フラストレーションを感じさせることが第一歩になります」

 ハメスにボールが入った瞬間に激しくプレッシングをかけることで、自由を与えない。たとえボールを奪えなくても、フラストレーションを与えてプレーの精度を落とさせるのが最も現実的かつ効果的だという。

「ハメスは1対1では日本にとって強すぎる。特にエリア内ではターンも素早い。でも、日本はスモールエリアでの機動力は評価できる。5メートル以内のスペースなら素早さはありますから」

 西ドイツはマラドーナを食い止めて栄冠をつかんだ。日本もハメスを封じて、グループリーグ突破の足がかりにできるだろうか。

(FOOTBALL ZONE編集部)



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