メジャー大会で相次ぐ敗北 なぜイングランドはPK戦に弱いのか

英国人は「all or nothing」という選択をしない

 

 さて、ここで話を戻す。なぜ、こうした重圧がイングランドのW杯を悲惨なものにしているのか、ということだ。だって重圧は他の強国にもあるのだから、それはある意味、優勝を狙う代表の宿命であり、公平な現象だ。

 それに、重圧の中には期待、心からの声援というポジティブな念も含まれており、勝ち上がるには不可欠のエネルギーともなる。

 近年では欧州CLの方が、レベルの高いサッカーを展開しているという意見もあるが、チーム、選手にかかる重圧という見地からすると、やっぱりW杯こそ世界最高の大会だろう。

 2年に渡る厳しい予選を勝ち上がり、国の誇りを賭けて戦う4年に一度の大トーナメント。世界が一斉に注目するという意味では、欧州CLの比ではない。もちろん、選手にかかるプレッシャーはすごい。

 そこで問題になるのが、そうした重圧がかかって、そのチームがどう反応するかということだ。

 イングランドは守るのである。

 これは国民性というしかないだろう。英国人は「all or nothing」(全てか無か)という選択はしない。全てを失うという事態だけはどんなことをしても避けようとする。

 サッカーには実は3つの結果がある。勝ち、負け、そして引き分けだ。もちろん、リーグ戦で強豪相手のアウェイ戦を守りに守って勝ち点1を奪うカタルシスはある。ところがイングランドは、トーナメントでもこれをやってしまうのだ。

 

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