長野の女子サッカーを変えた“1ゴール” パルセイロ社長が明かす集客力の秘訣とは?

スタジアムを地域の「日常の場」とするために

「各地域の特徴を生かすなかで、クラブがどう地域に根差すのか。生活の一部にサッカーやスポーツクラブがどう絡むのか。それを追求していかないと、ただのサッカーで終わってしまう。スポーツが生活の一部になるような社会を築くために、クラブに何ができるのかを考えないと。スタジアムの有効利用として、子どもの教育の場にすることや、年配の方のコミュニティーの場にすること。頻繁にスタジアムに足を運ぶことも考えないといけない」

 スタジアムを日常の場にすること。それは長野のような三大都市圏には及ばない人口規模の街だけでなく、今やビッグクラブと言われるクラブにとっても非常に重要なことだ。むしろ、こうした小回りの利く活動こそ、地方クラブの特色になっていくべきであり、そうなりつつある。

 きっかけは、澤さんのゴールだったかもしれない。だが長野は、そのブームを一過性のものとして終わらせずに、定着させる努力を積んできた。それが長い伝統やJ1強豪クラブを母体とするチームを凌ぎ、なでしこリーグ屈指の観客動員数を誇るクラブの土台となった。急成長する長野のさらなる発展に、大いに注目したい。

(FOOTBALL ZONE編集部)



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