長野の女子サッカーを変えた“1ゴール” パルセイロ社長が明かす集客力の秘訣とは?

イタリア戦の4日前のNZ戦で、澤穂希氏が決めたゴールが長野県の女子サッカーを大きく変えた【写真:Getty Images】
イタリア戦の4日前のNZ戦で、澤穂希氏が決めたゴールが長野県の女子サッカーを大きく変えた【写真:Getty Images】

年齢層の高い客層「若い人に比べてリピーターになりやすい」

 すでに現役を引退したMF澤穂希さんは、日本女子サッカー界を長年支えてきた存在だ。11年ドイツ女子W杯では決勝で同点ゴールを決めるなど、チームを世界一に導く活躍を見せたが、その4年後の15年カナダ女子W杯に向けた最終調整試合の一つ、香川県立丸亀競技場でのニュージーランド戦(1-0)で決めたゴールは、その4日後に試合開催を控えていた長野の女子サッカーを大きく変えるきっかけになった。一つのゴール、一つのプレーがムーブメントを生み出し、今では「観客動員でもINAC(神戸)をリーグ戦では上回っている。これは凄いことだという思いがある」という、なでしこリーグ屈指の集客力を誇るチームにまで成長した。

 堀江社長は、パルセイロのホームスタジアムに集う観客の特色として「年配の方が多い」ことを挙げる。これは、地方クラブがいかにして地域に溶け込んでいくのかという意味で大切なものだ。

「特に女子の試合は年配の人が多い。スピード的にも合うのかもしれないですけど、見やすいのかな。これから、高齢化社会になっていくので、そうした方をどうスタジアムに引き込むか。スタジアムに来ることでのコミュニティーがどうできるのかと。普段サッカーを見ない年配層の人たちがスポーツに興味を持つことを、もっと煽りたい。そうしたことで、観客動員は少しずつ根付くのではないか。また、そうした方は興味が様々な方向に向く若い人に比べてリピーターになりやすいんですよ」

 堀江社長はこう話し、Jリーグやなでしこリーグの各クラブが地域との関連性を高めることができていることを認めている。その上で、その先の発展に向けて必要なことをこう話している。

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