絶対王者ユベントスに死角なし 今季セリエAの注目はむしろ“中国マネー”ミラノ勢の動向か

大本命が今夏移籍マーケットで作った2つの新記録

 イタリア・セリエAは絶対王者の風格を漂わせている5連覇中のユベントスが、今季も優勝争いの大本命であることは間違いないだろう。

 このプレシーズンで、ユベントスは移籍金における2つのレコードを記録している。まずは、フランス代表MFポール・ポグバをフットボール史上最高額となる1億500万ユーロ(約126億円)+ボーナス500万ユーロ(約6億円)でマンチェスター・ユナイテッドに売却した。そしてもう一つは、ナポリからアルゼンチン代表FWゴンサロ・イグアインを、イタリア国内での移籍金最高額となる9400万ユーロ(約105億円)で獲得している。INもOUTも超高額移籍を成立させた。

 さらに、右サイドバックにはバルセロナからダニ・アウベス、中盤にはローマからミラレム・ピアニッチ、前線にはクロアチアの若き才能であるマルコ・プヤカを獲得。ピアニッチの獲得は右利きのセットプレーキッカーの補強でもあり、そうした意味での強化も期待される。マッシミリアーノ・アッレグリ監督も3シーズン目となり、チームは基本的に完成されている。不安要素は新戦力のフィット具合と、UEFAチャンピオンズリーグ(CL)と並行して戦う日程のみだろうか。

 その一方で、昨季2位のナポリと3位のローマは、いずれもユベントスに主力を引き抜かれる結果になった。開幕後も10日間ほど移籍市場が開いているにせよ、ナポリはイグアイン放出後の補強はアヤックスから獲得した22歳の若手ポーランド代表FWアレク・ミリクのみ。オランダリーグでは昨季リーグ31試合出場で21得点というゴールマシンではあるが、初挑戦のイタリアでどれだけ実力を発揮できるかは未知数だ。仮に不発に終わるようなら、昨季イグアインの得点力に大きく依存していただけに苦戦は免れないだろう。

 

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