絶対王者ユベントスに死角なし 今季セリエAの注目はむしろ“中国マネー”ミラノ勢の動向か

補強資金を用意できず混迷が続くミラン

 ローマは、“永遠の王子”であるフランチェスコ・トッティにとってラストシーズンになる可能性が高まっている。バルセロナからベルギー代表DFトーマス・ヴェルメーレン、トリノから破壊力あるサイドプレーヤーのブルーノ・ペレスを獲得したのが主だったところで、ビッグネームの補強は現時点で実現していない。ピアニッチが抜けたマイナス部分を、ベルギー代表MFラジャ・ナインゴランなどがどれだけ埋められるか。もちろん、スーパーサブ起用が濃厚なトッティのラストダンスからは目が離せない。

 そして、本来であれば優勝候補に名を連ねるべきミラノ勢、ACミランとインテルはプレシーズンからドタバタ劇が続いている。

 まずミランはシルビオ・ベルルスコーニ会長が心不全の手術を受けるアクシデントがあり、そうした事情から中国資本への株式売却が遅れたことで移籍市場に十分な補強資金を用意できなかった。フィオレンティーナやサンプドリアで実績を積んだヴィンチェンツォ・モンテッラ監督を確保できたことが最大の補強と言うべき状況であり、ジェノアからレンタルバックしたスソや、昨季セリエB(2部)で得点王のジャンルカ・ラパドゥーラが筆頭になる獲得リストは、3季連続で欧州カップ戦への出場権を逃し、そこからの逆襲を誓う名門としてはあまりにも寂しい。

 また、コロンビア代表FWカルロス・バッカが残留する見通しであるものの、3トップを基本に考えるなかでルイス・アドリアーノ、エムベイエ・ニアングといった本来はセンターフォワードタイプの選手が多く、サイドプレーヤーが不足するというバランスの悪さは解決されていない。目標はCL出場権獲得の3位以内になるが、現実的にはまずUEFAヨーロッパリーグ(EL)出場権を確保することがノルマになるだろう。

 

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