バルサで愛されたロナウジーニョ 伝説の超絶技巧とメッシに継承された“天才”の系譜

伝説のクラシコでのゴールとメッシとの競演

 今やバルサの代名詞である4-3-3システムで、右利きのロナウジーニョが左ウイングに入ると、鮮やかなドリブルと予測不能なパスで相手守備陣をかく乱させる。守備面では少々“サボる”癖はあったが、中盤のシャビ、デコ、ラファエル・マルケス、そして3トップのサミュエル・エトーやリュドビク・ジュリらのバックアップを受け、クラブに6シーズンぶりのリーガ制覇をもたらしたのだ。

 これだけでもロナウジーニョの果たした功績は大きい。しかし、彼が世界中にさらなる超絶技巧を見せつけたのは翌05-06シーズンのこと。05年に自身初となるバロンドールを獲得したナンバー10が特大のインパクトを残したのは、同年11月19日、敵地で行われたレアルとの“エル・クラシコ”だった。

 ロナウジーニョは後半13分に追加点を奪うと、同34分には左サイドでドリブル突破を敢行。若き日のDFセルヒオ・ラモスをボディフェイント一発で子ども扱いし、飛び出してきたGKイケル・カシージャスをあざ笑うかのようなシュートで試合を決定づけたのだ。そのスーパーゴールに、普段はレアルに声援、バルサに罵声を浴びせるマドリディスタも、宿敵の10番に祝福の拍手を送るほどだった。もちろん、そこには愛する“白い巨人”の惨敗への皮肉も込められていたのだが……。

 この伝説のクラシコには、あまり知られていない一つの記録がある。それは今や世界ナンバーワンプレーヤーとなったアルゼンチン代表FWリオネル・メッシが、18歳にしてクラシコ初出場を飾った試合だったのだ。そんなメッシとロナウジーニョを擁したバルサは攻撃力を前面に押し出し、同シーズンにリーガ連覇、そしてドリームチーム以来となるUEFAチャンピオンズリーグ制覇を成し遂げた。

 

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