チチャリートが冷や水を浴びせた所属元の指揮官を見返す2ゴール

マンUでの未来はない

 マンチェスター・ユナイテッドのルイス・ファン・ハール監督が、期限付き移籍先のレアル・マドリードで救世主の活躍を見せるメキシコ代表FWハビエル・エルナンデスの来季復帰に冷や水を浴びせた。英地元紙「デイリー・エクスプレス」が「マンチェスター・ユナイテッドの追放者、ハビエル・エルナンデスに復帰の道なし」と、特集した。
 チチャリートは昨夏、ユナイテッドの新監督に就任したファン・ハール監督の衝撃の270億円補強のあおりで前線の余剰人員となってしまった。今季ドルトムントに完全移籍した日本代表MF香川真司とともに新天地を求めた。
 白い巨人でもスーパーサブとして出場機会を減らしていたチチャリートだが、ベイル、ベンゼマ、モドリッチという主力選手の故障者が続出した窮地に男を見せた。クリスティアーノ・ロナウドと2トップで先発したアトレチコ・マドリードとのUEFAチャンピオンズリーグ準々決勝第2戦で決勝ゴールを挙げ、その活躍によってチームを準決勝進出に導いた。
 だが、所属元のファン・ハール監督は、マドリードで英雄とあがめられているチチャリートに厳しい言葉を投げかけた。
「彼にオールド・トラッフォードで未来があるか? 君はどう思う。私は彼にチャンスを与えた。ダニー・ウェルベック(アーセナルに移籍)に与えたチャンスと同様にだ。サブで起用することは、良くないという。そして、私はそれを変えることができない。1ゴール決めたから、全てが一変するのだろうか。私はそうは思わない」

 26日にエバートン相手に0-3で惨敗する前、オランダ人指揮官はそう語っていた。

 

チチャリートが切り開く未来

 しかし、この発言の翌日、チチャリートはアトレチコを沈めた1発に続き、リーガ・エスパニョーラのセルタ戦でも先発出場して2得点を決めた。カルロ・アンチェロッティ監督も4-2の勝利に貢献したストライカーを「替えのきかない選手」と激賞した。
 チチャリートの買い取りオプション行使を求める声は、マドリードのメディアや、サポーターからも相次いでいる。香川やウェルベック同様に、新天地で活躍することで、かつての指揮官の評価を覆すしかない。
【了】
サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images

page 1/1

今、あなたにオススメ

トレンド

ランキング