W杯で日本と対戦も!? 日本人元Jリーガーが語るペルーが“生まれ変わった”舞台裏

“ペルー歴8年”の元柏レイソルMF澤に聞く、国内リーグ成長の理由

 ニュージーランドとの大陸間プレーオフを制し、1982年以来9大会ぶりのワールドカップ(W杯)出場を決めたペルー代表。32カ国目の予選突破国となったが、激戦の南米予選で生き残り、世界への道を切り開くことができた理由はどこにあるのか。FIFAランキング11位でグループリーグ組み分け抽選会のポット2に振り分けられ、日本代表とも対戦の可能性があるペルーについて、2008年から13年まで柏レイソルでプレーし、現在はペルー1部のデポルティボ・ムニシパルに所属する“ペルー歴8年”のMF澤昌克に話を聞いた。

 南米予選で5位となったペルーは、大陸間プレーオフ進出が決まった後、国内リーグを1カ月間ストップし、選手たちが代表活動に専念。その“バックアップ体制”が結果につながり、36年ぶりのW杯出場権を手にした。近年、ペルー経済の成長が国内の各クラブへの投資をもたらし、リーグ全体のレベルアップにもつながっているが、意外にもペルーの地球の裏側にある中国の経済成長や好景気がその要因の一つなのだという。

 ペルーは金、銀、銅、鉛、亜鉛などの鉱物資源の宝庫だ。これまで最大の輸出国は米国だったが、経済成長を遂げた中国への輸出が米国並みに増え、さらに鉱物資源の価格も上昇したことで国内企業が潤うようになった。首都リマだけでなく、地方クラブにも投資をする企業が増加。これまで資金力の乏しかったクラブも環境が徐々に整い、クラブ間の力の差が縮まってきたことが、国内の選手のレベルアップにもつながっているという。

「ペルーの街がここ10年ですごく変わったんです。高層マンションが増え、インフラも整い、物価も上昇した。鉱山系をはじめ、多くの国内企業が地元チームに投資をするようになって、国内リーグの選手の給料も10年で約1.5倍に上がった。一番もらっている代表クラスの選手で月1万ドル(約110万円)。レギュラーの若手でも月2000~3000ドル(約22~33万円)くらいあります」

 

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