千葉“奇跡の7連勝”を呼び込んだ要因 ハイプレス&ハイライン戦術はいかに熟成されたか

スタイルはチームを強くするためにある

 エスナイデル監督の場合、特に極端な戦法だったこともあって、千葉の選手たちもどこまで監督の言うとおりにやるべきか迷っていた時期があった。ようやく終盤でそれがなくなって、監督の要求に応えたうえで自分たちでも臨機応変に判断できるようになったわけだ。これでようやく導入したプレースタイルが確立された状態となり、「ありったけの情熱」をぶち込める器が整ったと言える。

 エスナイデル監督はそこへ行き着くまでに、スタイルを曲げなかった。負けを許容したわけではないが、やり方を変えてまで当面の試合を取り繕うことをしなかった。その頑固さが仇になったこともあった。ただ、スタイルはチームを強くするためにある。目の前の結果のためだけに、あまりにも節操をなくしてしまえばチームは成長しない。成長すれば勝てるようにはなるが、勝つだけではスタイルは整わず成長もしないのだ。

【了】

西部謙司●文 text by Kenji Nishibe

ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images

 

page1 page2 page3

今、あなたにオススメ

トレンド

ランキング