ハリルが古巣を指揮する“アルゼンチンの奇才”を評価 「個性、その流儀における伝説」
“変人”の異名を取る名将を「偉大な労働者」と認めつつ、タイトル不足の点に言及
日本代表のバヒド・ハリルホジッチ監督にとって、10日にフランスのリールで行われるブラジル代表との国際親善試合は“凱旋ゲーム”となる。1998年から2002年まで仏1部リール(00年に昇格)でタクトを振るった指揮官は、リール市の名誉市民賞を贈られるほどの英雄だが、かつての古巣で指揮を執るアルゼンチンの鬼才に「個性、その流儀における伝説」と高い敬意を払っているという。フランスの地方紙「ラ・ヴォワ・デュ・ノール」が報じた。
一切の妥協をせず、1対1で激しさを求める「デュエル」を信奉するハリルホジッチ監督。そんな65歳の“熱血漢”も、古巣を指揮するマルセロ・ビエルサ監督に対して、同業者として大きな敬意を示している。2002年の日韓ワールドカップ(W杯)でアルゼンチン代表を率いた鬼才は、戦術や映像解析に寄せる壮絶な執念から「エル・ロコ(変人)」の異名を取る人物。日本代表監督のオファーを受けた過去もあるとされる。
記事で、「あなたによると、マルセロ・ビエルサは世界最高の監督ということだが?」と質問されたハリルホジッチ監督は「世界一の監督であるには、タイトルを獲得する必要がある。彼についてはいろいろな評判を聞いている。個性、その流儀における伝説。彼は情熱を持った偉大な労働者だ」と敬意を表した。しかし、現時点では圧倒的な手腕を持つビエルサ監督でも、タイトルが足りないという。
「しかし、現時点では彼はそこまで成し遂げていない。何かを成し遂げるための時間は十分に存在しないんだ。そのためには何年も必要とするのに、だ」
成績が悪ければすぐに解任される監督業の儚さを嘆いたハリルホジッチ監督。古巣リール、そして指揮を執る“変人”ビエルサには常に気を配っているようだ。
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フットボールゾーンウェブ編集部●文 text by Football ZONE web
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images