“HSVの未来”と認められた20歳FW伊藤 「あれ以上の賛辞はない」拍手が送られた理由とは

ブレーメン戦に先発し本拠地デビュー 交代時にサポーターが拍手を送る

 9月30日のブンデスリーガ第7節ブレーメン戦(0-0)で突如スタメン出場を飾ったハンブルガーSV(HSV)のFW伊藤達哉。日本メディアにとって全くのノーマークな存在であり、ドイツメディアにとっても驚きの起用となった。

 試合では序盤からキレ味鋭い動きを見せ、後半8分に途中交代でピッチを後にする際には本拠地のスタジアムに詰めかけたファンから拍手が送られた。GKクリスティアン・マテニアが「あれ以上の賛辞はないだろうね」と語るように、ホームデビュー戦でしっかりとファンの心を奪ったようだ。

 ではなぜファンは、あそこまでの拍手を20歳のアタッカー伊藤に送ったのだろうか。

 HSVはドイツで古豪、名門と称されている。かつてはUEFAチャンピオンズリーグ(CL)に出場した経験もあり、何より「ブンデスリーガ創設以来、唯一2部リーグに落ちたことがない」という事実が彼ら最大の誇りだ。

 だがここ数年は常に残留争いが定位置。毎年のように“迷子”になったかのように下位に沈み、なんとかギリギリのところで粘って残留という形の繰り返しだ。あそこまで追い込まれながらも踏ん張りきることは凄いが、それは何度も「復興・再生」のチャンスを逃してきたことの裏返しでもある。

 

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