シャルケに愛された内田篤人の7年間 貫いた美学と果たせなかった想いとは

ドイツ在住記者が見た名SBのウニオン・ベルリン電撃移籍

 内田篤人がシャルケを去る――。それが意味することはなんだろう。

 CL常連クラブの主力として活躍してきた内田。ペルー代表MFジェフェルソン・ファルファン(ロコモティフ・モスクワ)とのコンビは、どんな対戦相手にとっても脅威だった。あれほどまでにイメージの共有ができるのかと言われるほどのレベルだ。

 今季フランクフルトからシャルケに加入したDFバスティアン・オチプカは、「対戦相手としてシャルケを見た時に、自分のなかで最悪の思い出はファルファンと内田がコンビを組んでいた時代だ。僕はまだ若かったけど、二人が攻めてきたらもう大変だった」と振り返っていた。

 息が合っていたのはファルファンとだけではない。絶対的なエースとして君臨していた元オランダ代表FWクラース=ヤン・フンテラール(アヤックス)がゴールを量産できた裏には、いつも内田からの気配りに満ちたパスが隠されていた。相手が欲しいタイミングで欲しいところにそっと出す。でも、彼が愛された理由はそれだけではない。

 内田は常に語っていた。

「ここのファンは闘う選手が好きだからね」

 

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