シャルケに愛された内田篤人の7年間 貫いた美学と果たせなかった想いとは

「タダでぴょんと出るのは違うと思った」

 どんな時でも闘い続け、力の限りをチームのために尽くし続けた内田を嫌いになるファンなどいるわけもなかった。ブンデスリーガやCLでワールドクラスのドリブラーと対峙し、幾度となく名勝負を繰り広げてきた。バイエルン戦では内田の守備に手を焼いたフランク・リベリーが、イライラして小突くのが名物となっていた。

 シャルケファンは伝統を重んじる。クラブの象徴とされる選手を大切にする。31歳の青年監督ドメニコ・テデスコの下、シャルケは今季開幕戦で昨季2位のRBライプツィヒに2-0で快勝。一方で、シャルケの精神を体現するドイツ代表DFベネディクト・ヘーヴェデスをキャプテンから外し、黄金期を作り上げた一人である内田にチャンスが与えられないことを嘆いていたファンの数が少なくなかったのも事実だった。だが時代の流れもある。シャルケは新しいスタートを切る時期に来ていた。

 個人的には、内田が2014年にシャルケと契約延長を果たした直後のアウクスブルク戦を思い出す。試合後、契約更新するまでのいきさつを語ってくれた。

「移籍するにしても、お金は置いていきたいから。鹿島の時もそうだったけど、こんだけいい経験させてもらって、タダでぴょんと出るのは違うと思った。だから契約更新させてもらった。(移籍するにしても)『タダなら獲る』っていう選手のレベルだったら行く必要がない、俺は。ちゃんとお金を払って獲るという選手まで成長してないってことだから。そしたら行く必要はない」

 

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