リーグ10戦負けなしのアルビレックス新潟 地方クラブが目指す“未踏の領域”とは

育成型クラブとして将来有望な人材を発掘・育成

 10年以上、海外スカウト担当を務める細貝剛氏は年間のべ90日ほど海外に出向き、ブラジルを中心に独自のパイプで選手を調査。クラブの予算規模に応じた優秀な選手を発掘してきた。また、04年からフロントに加わった鈴木健仁・スカウト担当も国内のスカウト網を整備。それらを新潟出身で元日本代表の神田勝夫強化部長が束ね、育成型のチームを作ってきた。

 その取組は奏功する。下部組織からは酒井高徳や川口尚紀らトップで活躍できる人材が生まれるようになり、高卒新人として鈴木大輔や川又堅碁ら将来性のある若手を獲得できるようにもなった。また、外国人選手の補強の上手さも光り、過去にはエジミウソンやマルシオリシャルデス、昨季からはレオシルバらが活躍。日本人、外国人ともに他クラブが羨むような選手を輩出し続けてきた。

 結果、多くの選手が引き抜かれるようにもなったが、その何人かは移籍する際に億単位の収益をもたらした。それらは予算が限られたクラブにとって貴重な財源となった。

 現在、クラブが目指すのはその「育成型」をさらに推し進めることだ。

「まだ埋もれている子がいる。もっとアンテナを広げなければ」と田村社長。現在は天然芝4面、人工芝2面を備える練習場にトップ、下部が集結するが、今後、育成年代に関しては県内に複数の拠点を設置することを計画する。また今春からは従来のサポーターズクラブを「アルビレックス新潟ドリームクラブ」として育成組織の支援団体に移行。山口蛍ら有望な若手を輩出するC大阪の「ハナサカクラブ」のように、若手の強化を手厚くサポートする方針だ。

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