若き日の小野や本田が放った輝き オランダで欧州“一歩目”を刻んだ日本人選手の系譜

宮市が在籍半年で残したインパクト

 北京五輪で本田とともに戦った吉田麻也(現サウサンプトン)は、10年1月からVVVのメンバーとなった。しかし、合流まもなく負傷に見舞われてしまう。

 リーグ戦デビューを飾ったのは、同年10月だった。加入3季目の11-12シーズンはCBのレギュラーとして稼働し、1年遅れで移籍してきた同じ北京五輪世代のカレン・ロバートとともにプレーした。

 飛躍のタイミングは12-13シーズンの移籍市場である。直前のロンドン五輪にオーバーエイジで出場し、キャプテンとして日本のベスト4進出に貢献した実績が評価され、プレミアリーグのサウサンプトンへの移籍が成立したのだ。

 吉田と同時期には、宮市亮(現ザンクトパウリ)もエールディビジでプレーした。10年末にアーセナル加入が発表されると、英国の就労ビザの関係ですぐにフェイエノールトへレンタルされた。

 中京大中京高校卒業を控えた18歳は、ここで鮮烈なインパクトを記す。爆発的なスピードを生かしてポジションをつかみ、欧州主要リーグでの日本人最年少出場と同得点の記録を打ち立てた。

 そのインパクトが12試合出場3得点という数字以上だったことは、14-15シーズンにトゥウェンテが獲得したことからもうかがえる。アーセナルで出場機会に恵まれない宮市を、地元ファンは万雷の拍手で迎えた。コンディションが上がらずに、結果は残せなかったのだが……。

 

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