出番なしのカズ「勝ち点取れてよかったよ」 PKストップの後輩からリスペクト「学ぶことはたくさんある」

福島はGK上田智輝のPKセーブもあり栃木SCと0-0ドロー
J3福島ユナイテッドが、今季初の無失点試合で勝ち点1を手にした。福島は11月3日、リーグ戦第15節でカンセキスタジアムとちぎに乗り込んで栃木SCと対戦。自慢の攻撃陣はノーゴールに抑えられたが、GK上田智輝(30)が相手のPKを止める好セーブを見せ、勝ち点獲得の立役者になった。
【PR】日本人選手の活躍を毎節無料で!ABEMAでブンデスリーガ放送中!
先発で今季初出場した上田が、大仕事をやってのけた。前半の決定機を生かせず、後半相手の圧力を受けて劣勢に立たされた中で与えた21分のPK。「絶対に止めなければと思った」。栃木FWオタボーケネスのキックを冷静に見極めると、右に飛んでストップ。「最後まで我慢して(コースを)見ることができた」と胸を張った。
前節まで13試合で得点は27とリーグ3位タイも、失点は32でワースト。「初めてのリーグ戦出場だったけれど、どうしても結果は求めたかった」と上田は話した。PKストップ以外にも好セーブでクリーンシートに貢献。「勝つことはできなかったけれど、無失点は自分にとっても、チームにとっても、大きいと思う」と話した。
昨年のリーグ戦は25試合に出場したが、今季は川崎の黄金時代を支えた元韓国代表のチョン・ソンリョンが加入。神戸でもプレーした吉丸絢梓らも含めて一気にGKの層が厚くなり、出場機会は減った。それでも「福島のGKのレベルは高い。切磋琢磨している」と前向きに話した。
ソンリョンには教わることも多いという。「ソンさんはGK陣の和を大切にしてくれる。あれだけの経験をしている人なので、刺激になる」と話す。食事をともにすることもあるという。「あれだけの経験は、本人から実際に聞かないと分からない」とも言った。
カズに対してのリスペクトも強い。「練習に向かう姿勢や準備、プロとしての高い意識、学ぶことはたくさんある。サッカー界を引っ張ってきたカズさんやソンさんと一緒にできる機会などそうない。自分の成長につなげたいと思う」と2人との出会いに感謝した。
頑張る原動力もあった。10月21日に第一子の長女が誕生した。「家族が増えて、一層頑張らないといけないと思っています」と、うれしそうに話した。
「勝ち点3を目指したので、2を失って残念」と話した寺田周平監督も、今季初の無失点にはポジティブ。スタメンに抜擢した上田について「PKストップは大きかった。期待に応えてくれた」と満足そうに話した。
この日、10月3日の鹿児島線以来6試合ぶりにベンチ入りしたカズも出番こそなかったが、チームが失点しなかったことには前向き。特に後半はピンチの連続だっただけに「勝ち点1を取れたのは、よかったよ」と、上田ら守備陣の活躍を喜んだ。
勝利が欲しかった試合に引き分けたのは痛い。それでも、12本の枠内シュートを打たれながら無失点に抑えたのはチームの自信になる。「順位的に(16位と)苦しいけれど、上位に食らいついていかないと」と上田。「点は取ってくれると思うので、失点しないように頑張っていきたい」とJ2昇格に向けて話していた。
荻島弘一
おぎしま・ひろかず/1960年生まれ。大学卒業後、日刊スポーツ新聞社に入社。スポーツ部記者として五輪競技を担当。サッカーは日本リーグ時代からJリーグ発足、日本代表などを取材する。同部デスク、出版社編集長を経て、06年から編集委員として現場に復帰。20年に同新聞社を退社。



















