日本代表DFが絶賛「めっちゃ良くないですか?」 高卒海外→チーム得点4割に関与…高まる期待「これから化ける」

カールスルーエで信頼を掴んでいる福田師王
日本代表に推したい選手がいる。カールスルーエの福田師王だ。
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今季、ブンデスリーガ2部のカールスルーエへ完全移籍を果たすと、エースストライカーとして確固たる地位を築いている。リーグ10試合に出場して3得点2アシスト。チーム2位のスコアで、チーム13得点中約40%に絡んでいる。そんな結果に加え、前線で攻撃を支えるプレーにも確かな成長が見られたのが、ドイツカップ2回戦の1部ボルシアMG戦だった。
変化を感じ取っているのは、かつてボルシアMGでともにプレーした板倉滉も同じだ。試合後、福田について尋ねると、「めっちゃ良くないですか?」と声が弾んだ。
「外から見ていても、相手の中で一番良かったんじゃないかな。孤立していてもボールを収めたり、なおかつ自分で持っていったり。一緒にやっていた時よりも、身体の強さだったり、フィジカル面だったりとかがアップしている。
師王もカールスルーエで最初、難しい思いをしていたのは知っていたんで、そこでもがいて、やって、今、チームの中で信頼を勝ち取っている。その自信っていうのも、見ていてすごく感じました。またここから化けて、点を取るだろうなっていうのは、今日見ていて思いました」
福田のことを話す時、板倉はとても饒舌になる。ボルシアMGでともにプレーしていた頃から、その資質を高く評価していた。出番を待つ後輩について、かつてこんな話をしてくれたことがある。
「ピッチで戦っていたら、そろそろ師王行くかな、と考えながらやっている。練習ですごいいいプレーをしていて、一緒にご飯食べていて、試合展開によってはあるぞという話は毎回している。でも、やれる自信はあっても、そこで使ってもらえないとか自分も経験してきたし、それは仕方がないと思う。第三者としては師王を出してくれたらなとか思ったりするけど、それは別に誰が悪いとかではない。師王もここでめげるのではなくアピールを続けないといけない。いつ来てもいいように準備をするだけだと思います」
練習で力を示しても、試合で使ってもらえるとは限らない。カールスルーエへ戦いの場を移してからも、当初は思うように出場機会を得られなかった。それでも福田は、腐ることなくアピールを続けてきた。
その積み重ねが、今季はチーム内での立場の変化につながっている。以前の取材で、味方からの信頼を感じるかと尋ねると、福田はこう答えた。
「今年からはそこはもう。チームから信頼されていると思いますし、自分的にも主力としてやっていかないといけないので、勝てないとなったら、本当に自分のせいみたいな感じになる。もっとチームのために戦っていけたらなというふうに思います」
昨季以上に責任感や自覚が出てきたのか。重ねて聞くと、「そうですね。責任感は今大きいですね」とうなずいた。出番を待つ立場から、チームを勝たせる役割を担う存在へ。自分に向ける要求も変わってきている。
最終ラインの背後への配球を待つだけでなく、自分で前を向き、シュートまで持ち込めるようになりたい、とも話していたことがある。そんな言葉を思い出させるようなプレーを見せていたのが、ボルシアMG戦に何度もあった。
象徴的だったのは、相手センターバックの退場を誘発した抜群のターン。相手を背負った状態から鮮やかに身体を入れ替え、ゴールへ向かう。ボールを奪おうと寄せた1部のCBが、一瞬にして追いかける立場になった。
強く寄せれば反転され、距離を空ければ前を向かれる。福田が自らゴールへ向かう選択肢を持つことで、守備側は対応を難しくしていた。優れたポジショニングと競り合いの強さでボールを収める場面もあり、周囲のサポートが少なくても攻撃の足掛かりを作っていた。
この試合では無得点に終わったとはいえ、板倉の評価にうなずけるプレーの連続だった。2部では強力で正確なシュートでゴールを決め、直近の10節ハイデンハイム戦では相手GKの好セーブに阻まれたが、見事なパスで絶好機を演出。本人も手応えを深めている。
「去年の後半戦から徐々に自信がついてきて、やれていますし、ゴール前っていうのは自分のいいところだと思うんで。あとは本当に点を取るっていうだけですね」
日本代表で見てみたいと感じたのも、こうしたプレーの幅と質が育ってきたからだ。相手のプレッシャーを受けながら前線でボールを収められれば、味方は押し上げやすくなる。そこから自ら反転してゴールへ向かえるなら、相手の注意を引きつけ、周囲の選手が動く余地も生まれる。
より速いサポートや精度の高い配球を得た時、福田のゴール前の感覚はどう生きるのか。周囲の持ち味を引き出すプレーに成長を見せているからこそ、日本代表での組み合わせを想像したくなる。もちろん、日本代表の前線の競争は厳しいし、今回の発表で名前が呼ばれるかどうかは分からない。まだまだ時期尚早というのもあるかもしれない。ただ、福田の成長の先には、まだまだ大きな伸びしろがある。
かつて板倉がピッチで待っていた後輩の登場を、今度は代表の舞台でも見てみたい。
(中野吉之伴 / Kichinosuke Nakano)

中野吉之伴
なかの・きちのすけ/1977年生まれ。ドイツ・フライブルク在住のサッカー育成指導者。グラスルーツの育成エキスパートになるべく渡独し、ドイツサッカー協会公認A級ライセンス(UEFA-Aレベル)取得。SCフライブルクU-15で研修を積み、地域に密着したドイツのさまざまなクラブで20年以上の育成・指導者キャリアを持つ。育成・指導者関連の記事を多数執筆するほか、ブンデスリーガをはじめ周辺諸国で精力的に取材。著書に『ドイツの子どもは審判なしでサッカーをする』(ナツメ社)、『世界王者ドイツ年代別トレーニングの教科書』(カンゼン)。




















