U-21リーグは「将来につながっていく」 2531人が来場…”本気の試合”を経験に「毎週やりたい」

浦和U-21の田中達也監督【写真:徳原隆元】
浦和U-21の田中達也監督【写真:徳原隆元】

U-21浦和とU-21東京Vが対戦

 U-21Jリーグは9月12日に東西リーグラウンド第2節の試合が各地で行われ、EASTではU-21浦和レッズとU-21東京ヴェルディの試合が行われて、2-1で東京Vが勝利した。両クラブの考え方が分かれるメンバー構成でのゲームになったが、両監督ともにこのリーグの意義を前向きに感じているとコメントを残した。

 ホームの浦和は最終ラインにU-20オーストラリア代表DFルカ・ディドゥリカが入ったほかは、全て高校生年代の選手でメンバーを構成した。トップチームでの出場経験がある選手は、先日の天皇杯2回戦でMF和田武士がピッチに立ったのみだった。一方の東京Vは、27歳のDF松田陸を筆頭に3人のオーバーエイジ選手を起用し、21歳以下の年代でもMF山本丈偉らのすでにトップチームで出場した経験のある選手がピッチに立った。

 その差が表れたような試合展開で始まり、前半の飲水タイムまではほとんど東京Vがボールを保持して押し込む展開だった。しかし、飲水タイム明けにプレスの修正などを施した浦和がペースを取り戻すと、前半30分にMF宮﨑叶がセットプレーのこぼれ球を押し込み先制した。しかし、東京Vは後半11分にFW白井亮丞が強烈ミドルを決めて追いつくと、後半21分にFW山田剛綺がPKを決めて逆転。試合終盤は浦和にもチャンスがあったが、東京Vが1点差で逃げ切った。

 東京Vを率いる森下仁志監督は「メンバーは今日の朝、決まった」と明かした。トップチームが翌日にJ1のゲームを控えているため、午前のトレーニングにも参加した選手たちで構成されて、ベンチ入り選手はわずか4人だった。一方で「今日のメンバーは、(トップチームに)けが人が少し増えているので、明日の試合のメンバーに入る可能性もあります。そういうモチベーションもありました」と話し、かなりトップチームに近い位置づけにあることが伺われる。実際、森下監督はU-21リーグの初戦はトップチームと日程が重なったため、そちらに帯同していた。

 一方で浦和の田中達也監督は「浦和レッズの場合は、トップチームから選手が参加することもありますけど、基本的にはユースの選手など、下から選手を引き上げることを目的としています。それが将来の浦和レッズにつながっていくと思います。今日も平均年齢が17歳でした。そういうメンバーでチャレンジしていく」と、クラブとしての方針を明かした。

 そのうえで、試合中に経験の差が大きくある相手とのゲームに順応していった選手たちの姿について「相手のプレーやスピードに慣れるまで、マイボールにした後、すぐに奪われる場面がありました。ただ、時間が経つにつれて、準備してきた形にうまく持っていけるようになりました。そこから選手たちがクオリティーを発揮し、落ち着いてプレーすれば、絶対にみんなの力を出せると思っていました。相手にはスピード感があったかもしれませんけど、ボールを保持したところから、いくつもチャンスをつくれたと思います」と話している。

 ただし、クラブとしての方針に違いこそあれ森下監督が「サポーターの方々に来てもらって、本気の試合を一試合でもできるということは大きいです。難しいところは何もありません。毎週やりたいです」と話したように、第2節までで最多となる2531名の来場者があったスタジアムは、きちんと公式戦の空気に包まれていた。

 特に後半に向け浦和はファンの子供たちから声援が沸き起こる瞬間が目立ち、田中監督も「彼らが120パーセントの力を出している姿によって、今日スタジアムに来てくれた皆さんの心を揺さぶることができたんじゃないかなと思います」と話していた。クラブそれぞれにU-21リーグの活用方法は分かれそうだが、公式戦の経験が選手に与える好影響があるのは間違いない。このリーグを日本サッカーにとって重要度の高いものに育てていけるかどうか、今後の展開も注目される。

(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)

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