連敗→大逆転勝利も「仲間に失礼」 “スタメン0”を受け入れ…チームに抱いた危機感「本当に情けない」

柏の瀬川祐輔【写真:柳瀬心祐】
柏の瀬川祐輔【写真:柳瀬心祐】

柏MF瀬川祐輔が途中出場から2ゴールで逆転勝利に貢献

 柏レイソルは9月11日、J1リーグ第7節で京都サンガF.C.とアウェーで対戦し3-2で勝利を収めた。前半0-2からの見事な逆転劇の立役者となったのは、後半頭から出場したMF瀬川祐輔であった。

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 “ゲームチェンジャー”が1人でチームを救った。開幕から4連勝と好調なスタートを切っていた柏だったが、そこから連敗。そして京都の本拠地に乗り込んだ試合でも、悪い流れが続いた。

 立ち上がり3分に自陣でボールを奪われそのまま失点を許し、さらに前半のうちに追加点を奪われ0-2で折り返した。ベンチで見ていた瀬川は「あの戦い方をしているようだったら、優勝できないし、ACLでも勝てない。失点の仕方はあれでしたけど、あれで崩れているようじゃ、まだまだだなと思います」と指摘した。

 そして後半頭からピッチに立った瀬川は、6試合連続での途中出場で躍動する。トップに入ると降りて組み立てながらサイドに散らし、チャンスと見るやゴール前に飛び込んで行った。

 すると1点を返した同22分、左サイドで受けたMF渡井理己のクロスに、瀬川が相手を背負いながら上手くボールに触り、同点に追い付いた。さらに瀬川はこれで止まらない。その4分後、柏はサイドチェンジで相手を揺さぶり、抜け出したMF小泉佳穂のラストパスに瀬川が再び合わせて逆転に成功した。

 瀬川はこれで今季5ゴール1アシスト。出場わずか270分と、45分に1点のペースで得点に関与している。「前の選手はそれが仕事なんで」と当たり前としつつ、「ボールを持つチームであれば、ゴールに向かう回数は必然的に増えるので、僕にボールを出してくれっていうことは常に言ってるんで、その結果だとは思いますけど、素直に嬉しいです」と、冷静に振り返った。

 チームトップのゴール数を記録しているが、今季まだリーグ戦では一度もスタメンがない。与えられた役割を全うしているなかで、瀬川は悔しさも滲ませつつ本音を語った。

「それ(サブ)を受け入れてやってはいますけど、もちろんスタメンで出たいですし、点を取り続けていつかスタメンになれることを願い続ける。ただ、チームがいい状態である理由の1つだったら、少し今は受け入れなきゃいけないかな。でもスタメンは常に狙ってます」

 終始冷静に試合を振り返り、自身の置かれた立場を分析し、理解している瀬川。それでも課題が出ながら連敗ストップできたことは「勝って改善、勝って修正して次に向かうのが一番大事なことなんでいいことではありますけど」と前置きし、「本当に今日みたいな試合をしていたら、連敗も含めて全然成長してないなというか、今日の前半に関しては、本当に情けないゲームでしたし、自分たちから崩れていった」と、やはり前半の試合運びについて厳しい意見をぶつけた。

 さらに「ここに来れてない選手、ACLに登録されてない選手とか、人数が多いからこそ、そういう選手がいるのに、ピッチに立っている選手が、ああいう振る舞いというか。難しいですけど、失点してあのまま崩れて2失点して、なかなかチャンスも作れず、みたいな試合をしているようだったら示しがつかないというか、仲間に対して失礼ですし、気迫も伝わってこなかったですし、前半に関しては改善しなきゃいけない。サッカー云々じゃない部分だと思うのでそこは反省しないといけない」と、責任感を欠いたような前半の戦いぶりに、瀬川は強いもどかしさと責任を感じていた。

 もちろん、瀬川自身も他人事として語っているわけではない。連敗を止め、勝って課題に向き合えるからこそ、目を背けてはならない現実がある。アジアの戦いに足を踏み入れれば、京都の強烈なFWラファエル・エリアスのような個の打開力を誇るストライカーと幾度となく対峙することになる。そうした相手を0で抑えないといけない高いレベルに達しなければ、クラブの悲願であるタイトル獲得に到底届かない。

「まあ勝ったことは良かったです」——そのシンプルな締めの言葉の裏には、安堵ではなく、次なる過酷な戦いへの強い覚悟が込められている。劇的な逆転ゴールを叩き込みながらも慢心ゼロで自分たちを鋭く刺す瀬川祐輔の存在。彼が発した危機感こそが、チームをもう一つ上のフェーズへと引き上げるための、何よりの推進力となるはずだ。

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