J1で圧巻ポテンシャル…23歳FWは「一切迷いがない」 日本代表OBが評価した「右・左・頭」

【専門家の目|太田宏介】広島FW鈴木章斗が圧巻の2ゴール
J1のサンフレッチェ広島は8月15日、リーグ戦第2節で浦和レッズと対戦し4-1の快勝を収めた。この試合で圧巻の2ゴールを決めた広島FW鈴木章斗について、元日本代表DF太田宏介氏はその爆発的なフィニッシュ力と、今季にかける期待の大きさを語った。
(取材・文=FOOTBALL ZONE編集部)
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ストライカーとしての覚醒を予感させる。鈴木は浦和戦の前半、右サイドからのクロスに走り込んで合わせ、ファーサイドからダイレクトボレーを叩き込んだ。さらに後半にも、裏に抜け出すと距離はあったものの右足一閃。シュートは意表を突かれた浦和GK西川周作の手の先を抜け、ニアサイドに吸い込まれた。
太田氏が湘南時代から高く評価していたのが、鈴木の持つ万能性だ。右足、左足、そして頭と、あらゆるパターンからネットを揺らせる柔軟性に加え、最大の魅力はその「判断の速さ」にあると指摘する。
「鈴木選手はまさに万能ストライカー。特にゴール前での判断に一切の迷いがありません。常にゴールの位置とキーパーの立ち位置を把握できているから、余計なタッチを挟まず最短距離でシュートまで持っていける。あんなに素早く打ち込まれたら、キーパーも準備する時間がありませんよ。豪快でありながら非常に理にかなった、ストライカーとしての必須スキルを高いレベルで持っています」
さらに、ワントップだけでなくシャドーの位置でも質の高いプレーが見込めるなど、チームの戦術に応じた柔軟さも持ち合わせている。広島の強力な攻撃陣の中で確実に自身のポジションを確立しつつある。
湘南で2桁ゴール、そして広島で着実にポテンシャルを示してきた鈴木にとって、23歳で迎えた今シーズンはキャリアの大きな岐路となる勝負の1年となる。チーム内での熾烈なポジション争い、そして新加入FWセバスティアン・アレーとの共存という課題をクリアしながら、結果を出し続けることが求められている。
「間違いなく日本代表のスタッフ陣も彼を見ているはずです。チーム内での共存はもちろんですが、やはり日本人アタッカーとして目に見える結果、それこそ得点王争いに名乗りを上げていかなければいけない選手の一人だと思います。この1年でどれだけ数字を残せるかが本当に勝負になります」
湘南から広島を経て、イングランドへ移籍しすぐさま活躍を見せたブラックバーンFW大橋祐紀の姿は、同じようなキャリアを歩む鈴木にとっても大きな指標となっているはずだ。
「大橋選手のように、Jリーグで結果を残して欧州に渡り、そのまま活躍できるというプレーの基準が見えているのは大きい。鈴木選手自身も確実にヨーロッパを見据えているはずです。分かりやすくゴールを量産して、その勢いのまま海外へ羽ばたいていく、そんなストーリーを見たいですね」
Jリーグの舞台で圧巻の存在感を放ち始めた若き大器。自らのゴールで、日本を代表するストライカーへと駆け上がる姿にこれからも注目だ。

太田宏介
太田宏介(おおた・こうすけ)/1987年7月23日生まれ。東京都出身。FC町田―麻布大学附属渕野辺高―横浜FC―清水エスパルス―FC東京―フィテッセ(オランダ)―FC東京―名古屋―パース・グローリー(オーストラリア)―町田。Jリーグ通算348試合11得点、日本代表通算7試合0得点。左足から繰り出す高精度のキックで、攻撃的サイドバックとして活躍した。明るいキャラクターと豊富な経験を生かし、引退後は出身地のJクラブ町田のアンバサダーに就任。全国各地で無償のサッカー教室を開校するなど、現在は事業を通しサッカー界への“恩返し”を行っている。





















