夏開幕でJリーグに大影響? 劇的に増えた得点数…クラブが取るべき”王道の策”「相手を」

J1開幕戦で10全試合の合計得点は36得点
8月7日にスタートした2026-27シーズンのJ1リーグは、早速これまでのシーズンとの違いを浮き彫りにした。
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トレーニングや練習試合を積んできても、試合勘が戻っていない第1節というのはこれまでと同じ。問題はそれが体力が極端に奪われる真夏にスタートするということだ。
例年の開幕戦はどんな様子だったか振り返ってみる。新型コロナウイルスによる規制が緩和された2023年以降、J1リーグ第1節の合計得点は、2023年23得点(18チーム)、2024年24得点(20チーム)、2025年22得点(20チーム)。
1チームあたりの平均得点は2023年が約1.3得点、2024年は1.2点、2025年は1.1点だ。無得点だったチームは2023年が6チーム、2024年5チーム、2025年8チーム。
それが2026-27シーズンは全試合の合計得点が36得点、1チームあたりの平均合計得点は1.8点。無得点だったのは3チームしかない。得点数は前年度比150パーセント伸び、無得点チームは前年度の半分以下だ。
2025年は8月9日〜11日に第25節が開催された。その合計得点は26得点。やはり2026-27シーズンの得点数は劇的に増えたと言えるだろう。
その原因は、暑さによる消耗戦になったためというわけではない。2025年第25節のアクチュアルプレーイングタイムの平均は51分。2026-27シーズン第1節のAPTは55分と、4分延びた。特に柏vs水戸のアクチュアルプレーイングタイムは63分48秒と60分を超えている。
2026-27シーズン第1節で退場者が3人出たことで、今年は判定が厳しくなったと思う人がいたかもしれない。だが2025年第25節にも退場者は3人出ている。一発退場が1人、警告2枚の退場が2人という内容も変わらない。
だが、それ以外のカードの内訳には特徴がある。反スポーツ的行為(C1)は12枚(2025年)と14枚(2026-27)、ラフプレーは両方とも同じ7枚、異議(C3)は3枚(2025年)と2枚(2026-27)と変化は少ない。
ところが、2025年第25節には存在した繰り返しの違反(C4)が1枚、遅延行為(C5)が5枚あったのに対し、2026-27シーズン第1節ではどちらも1枚もなかったのだ。
GKのボール保持時間、スローインにかけられる時間、選手が倒れ込んだ場合など、遅延行為に繋がりそうなプレーが細かなルール改正で厳しく制限され、結果としてAPTが延びたのが見て取れる。
そしてその長くなったアクチュアルプレーイングタイムも暑さともども選手の体力を奪い、ゴールのための隙を作らせたと考えられるのではないだろうか。
実際に前後半アディショナルタイムに生まれたゴールは2025年第25節が1得点だけだったのに対し、2026-27シーズン第1節では5得点もある。
以上のことと、選手の体力が急に強化できないという現実を総合的に考えると、Jクラブは二つの選択肢からどちらかを選ぶのではないだろうか。
一つはもっと積極的にボール保持の時間を増やして体力の消耗を減らそうとする策。自分たちのペースでボールを動かし、逆に相手を消耗させるような方法。
もう一つは、たとえばGKが負傷した場合にピッチ復帰の時間制限が適用されないことを利用するなど、ルールの穴を見つけて何とかアクチュアルプレーイングタイムを削っていく方法。
サッカー界が世界的にアクチュアルプレーイングタイムを伸ばそうとしている現在、ボール保持率を上げるのが王道だと言える。一方で、まだみんな気付いていない抜け道を見つけてくるチームは、試合の当事者でないならクスリと笑わせられてしまうだろう。
どちらをどこが選択するか、試合を見に行くのがますます楽しみになるのではないだろうか。
(森雅史 / Masafumi Mori)

森 雅史
もり・まさふみ/佐賀県出身。週刊専門誌を皮切りにサッカーを専門分野として数多くの雑誌・書籍に携わる。ロングスパンの丁寧な取材とインタビューを得意とし、取材対象も選手やチームスタッフにとどまらず幅広くカバー。2009年に本格的に独立し、11年には朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の平壌で開催された日本代表戦を取材した。「日本蹴球合同会社」の代表を務め、「みんなのごはん」「J論プレミアム」などで連載中。























