イタリア復活へ暗雲「急ブレーキかかった」 代表監督候補に“ロシア問題”…現地報道「精査している」

監督人事で物議となっているアンドレア・ピルロ氏【写真:ロイター/アフロ】
監督人事で物議となっているアンドレア・ピルロ氏【写真:ロイター/アフロ】

ピルロ氏は現在はUAEのドバイ・ユナイテッドの監督を務めている

 3大会連続でワールドカップ(W杯)への出場を逃したイタリア代表が、監督人事でも不穏な動きを見せている。イタリア紙「ガゼッタ・デロ・スポルト」は、“ロシア問題”が発生していると報じた。

 イタリアは先日まで行われた北中米ワールドカップ(W杯)への出場権を逃し、3大会連続で大舞台のピッチに立つ機会を逸した。4度の世界王者を経験している名門国は、イタリア・サッカー連盟(FIGC)の新会長にジョバンニ・マラゴ氏が就任して、名門ACミランでプレーしたレジェンドの元イタリア代表パオロ・マルディーニ氏がテクニカル・ダイレクター(TD)に就任。同じくミランでプレーした元ブラジル代表レオナルド氏のアドバイザー就任も発表されていた。

 注目された監督人事では、ミランや名門ユベントスでプレーし、2006年のドイツW杯優勝メンバーでもあるアンドレア・ピルロ氏の就任が濃厚になっていた。しかし、ここにきて「倫理的に適切かどうかを理由に急ブレーキがかかった。マラゴ会長も事態を精査したい考えです」と伝えた。それが、ピルロ氏のロシアとの関係性にあるという。

 ピルロ氏について、同紙では「ピルロは大手ブックメーカーである『Fonbet』のグローバルアンバサダーを務めている。問題は何か。より大きいのは、その企業がロシアの有力企業であることだ」とした。2022年のロシアによるウクライナ侵攻が開始して以来、イタリアとロシアは国際的な関係が悪化している。

 そのため「そうした中で、ピルロがロシア企業を目立たせる活動に関わっていること、しかも、わずか2か月前には同じくアンバサダーを務めるマルコ・マテラッツィとともに、物議を醸した首都モスクワへのプロモーション訪問まで行っていることは、国を代表する立場を担う人物として、非常にふさわしくないと多くの人に受け止められている」という状況にあるという。

 このことから、イタリア国内では政治家からもピルロ氏の代表監督就任には異論が噴出。欧州議会副議長のピナ・ピチェルノ氏は「彼は自由意思で、しかも繰り返し、自らの名声をプーチン体制の正常化作戦に貸した。ウクライナが爆撃されている中で、クレムリンのプロパガンダに利用される取り組みに参加したのだ。彼を選ぶのは重大な誤りだ」と発言し、政党アツィオーネのカルロ・カレンダ党首も「2022年以降にロシアのためのプロパガンダを行った、あるいは行っていた人物は、国家的な役職に就くべきではない」と発言したという。

 ピルロ氏は現在、UAEのドバイ・ユナイテッドFCの監督を務めている。通常、その契約を解除すれば監督就任への問題はない。だが同メディアは「もう一つ重要な点がある。ユナイテッドFCの会長兼オーナーであるセルゲイ・ロマキンは、『Fonbet』内に重要な経済的利害関係を持っている」と、ロシアのベッティング企業との関係が深すぎることが明らかになっていることが、ブレーキをかける要素になっているとした。

 ピルロの弁護士らは「すべてクラブの役職に固く結びついている」と主張。クラブとの契約を解除すれば、Fonbetとの関係も含めてすべてから解放されることになると説明している。

 現役時代にはイタリアが生んだ稀代のプレーメーカーとしてアッズーリを世界の頂点に導いたピルロ氏。復活に向けて新体制で動き出したイタリアサッカー界にとって、出鼻をくじかれる形となった。

(FOOTBALL ZONE編集部)



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