森保Jと対戦、スウェーデンの守備は「脆弱」 オランダ戦でも露呈…現地記者が指摘「多すぎる」

オランダに敗れ下を向くリンデロフ【写真:アフロ】
オランダに敗れ下を向くリンデロフ【写真:アフロ】

スウェーデンのケルテス記者が語った

 日本代表は現地時間6月25日、アメリカ・テキサス州のダラス・スタジアムで、北中米ワールドカップ(W杯)グループリーグ第3戦で、スウェーデンと対戦する。初戦のチュニジア戦は5-1と大勝したが、第2戦のオランダ戦では1-5の大敗。大会直前の強化試合でもノルウェー、ギリシャに苦しむなど、現地では不安の声が広がっている。スポーツ国営放送SVT(Sveriges Television AB)のスポーツ記者であるオリバー・ケルテス氏に現状を聞くと、守備の綻びと攻撃の連携不足という2つの課題が浮かび上がってきた。(取材・文=林遼平/全2回の1回目)

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 スイスやコソボ、スロベニアと同組となったW杯欧州予選で2分4敗の未勝利、12失点を喫して最下位に終わったスウェーデン。そんな苦しいチームを大きく立て直したのがグレアム・ポッター監督だった。残り2試合のタイミングで就任した指揮官は、短い時間で攻守に不安定だったチームを修正。予選こそ敗退してしまったが、欧州予選プレーオフのパスBでウクライナ、ポーランドを破ってW杯出場を決めた。

 SVTスポーツ記者・オリバー・ケルテス氏は、ポッター監督就任がW杯への切符を手にした要因の一つとして指摘した。

「ポッター監督は、チームとしての一体感を重視し、選手と人間として向き合うコーチです。これは常に変わらないスタイルですね。彼はヨン・ダール・トマソン前監督が指揮していた時代にバラバラになっていたグループを、短期間で一つにまとめることに成功しました。また安定感を生み出すために、基本的な戦術をまず徹底することに注力しました」

 ただ、W杯出場の原動力となったのは最終的に個の質だったと主張する。そこで違いを生んだのがヴィクトル・ギェケレシュ(アーセナル)だ。「ギョケレシュがいざという時に奮起し、ウクライナ戦でハットトリックを、ポーランド戦でも1ゴールを決めました」と語り、彼の存在なくして本大会出場はなかったと明かした。

 そんなスウェーデンだが、国内で今、代表チームへの懸念が高まっている。W杯前に行われた直近の強化試合ではノルウェーとギリシャと対戦。エースストライカーのFWアーリング・ハーランド(マンチェスター・シティ)や主将のMFマルティン・ウーデゴール(アーセナル)不在のノルウェーを相手に1-3で敗れると、フルメンバーを揃えて挑んだギリシャ戦では後半アディショナルタイムに失点を許してドロー決着。チームの完成度への疑問符が消えないままW杯を迎えることになった。

 ケルテス氏は「紙の上では非常に強力な攻撃陣を持っている」としながらも、核心を突く問題を指摘する。

「ギリシャ戦後、(アレクサンドル・)イサクが『(ヴィクトル・)ギェケレシュとはまだ期待していたような連携が取れていない』とメディアに率直に語りました。チームの最大の強みが思ったほど機能していないという現実は、当然スウェーデンにとって大きな不安要素です」

 チームの絶対的なエースとなるのがイサクとギェケレシュだ。リヴァプール、アーセナルというプレミアリーグのビッグクラブで活躍する2人は、スウェーデンにとってビッグタレントであることは間違いない。しかし、その2人が実戦ではなかなか噛み合っていないという。日本にとっても警戒しなければいけない2人だが、スウェーデンにとっては彼らをいかに共存させるかが勝ち進むためのポイントのようだ。

 攻撃の歯車が噛み合わない一方、守備はどうかと言うと、こちらにも不安定さが残る。ポッター監督はギリシャ戦後、「危険なエリアでのボールロストが多すぎる」と語り、早急な改善を求めたという。スウェーデンはカウンターを得意とするチームだが、皮肉にも危険なエリアでのボールロストが原因でギリシャ戦では逆にカウンターを浴びた。ケルテス氏は「守備の問題にはかねてから苦しんできたが、それが続いています」と現状の課題を指摘した。

 また、チームの現状についてケルテス氏は「最大の懸念は守備」と繰り返し強調している。

「ボールロストが多すぎることで、チームが脆弱になっています。ポッター監督はまた、ディフェンスとミッドフィルダーの間をはじめ、チームの各ラインの距離が広がりすぎていることも指摘しており、それが相手に大きなスペースを与えてしまっていると語っています」

 その綻びが、オランダ戦でも現れてしまった。守備の安定なくして、日本戦に勝利する道はない。日本戦へ向け、スウェーデンが抱える課題は明確だ。では、スウェーデンは日本をどう見ているのか。そして、試合の流れを変える“切り札”の存在とは。スウェーデン側の現状を紐解いていく。

(林 遼平 / Ryohei Hayashi)



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林 遼平

はやし・りょうへい/1987年、埼玉県生まれ。東日本大震災を機に「あとで後悔するならやりたいことはやっておこう」と、憧れだったロンドンへ語学留学。2012年のロンドン五輪を現地で観戦したことで、よりスポーツの奥深さにハマることになった。帰国後、サッカー専門新聞『EL GOLAZO』の川崎フロンターレ、湘南ベルマーレ、東京ヴェルディ担当を歴任。現在はフリーランスとして『Number Web』や『GOAL』などに寄稿している。

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