森保采配は「完璧」 なでしこ指揮官が絶賛…女子W杯優勝に必要なアクシデントへの対応「色々と意見を」

1年後のブラジルW杯で「世界一」へ 着手した具体的なチーム作り
なでしこジャパン(日本女子代表)の狩野倫久監督が、6月17日に千葉県内の「高円宮記念JFA夢フィールド」で合同取材に応じた。来年、ブラジルで開催される女子ワールドカップ(W杯)を見据えた具体的なチーム作りや、北中米W杯を戦う男子日本代表への思いも明かした。
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現在のなでしこジャパンの強みの1つは、前体制からの「継続性と進化」だ。前任のニルス・ニールセン監督時代にコーチを務めていた経験が、現在のチーム作りに大きく生きているという。
「前任のニルス監督の意図や狙いを選手に伝える役割を担っていたので、選手とのコミュニケーションが取りやすいという利点はもちろんあります」
監督就任に伴う立場の変化については、狩野監督は「決断して采配を振るうという大きな違いがあります」と重責を口にする。それでも「今までやってきたことや選手からの意見を拾い上げ、コーチとしての経験も活かしながら、チームとして目標に向かっていくスタイルを作っていけるのは強みだと思っています」と語り、長年培ってきた選手たちとの信頼関係とマネジメント力に自信を覗かせた。
見据えるのは、1年後に迫ったブラジルW杯での「世界一奪還」だ。目標達成に向け、チームとして、南アフリカとの連戦を振り返りながら、強化の青写真をこう明かす。
「日本がさらにどの部分を伸ばし、改善していくのか。強みはどこなのかを共有し、チャレンジすることが大きな狙いでした。最初の狙いとして『トランジションからの素早い攻撃』を掲げました。今までもそこから多くのゴールが生まれており、まずは良い守備から素早く攻めることにチャレンジしました」
今後の展開については、「相手の脅威になるようなアグレッシブさ、特にディフェンスラインを突破するような動きは最初に取り組むべきだと考えています。そのベースができた上で、ユニットやグループでのコンビネーションを順次構築していく想定です」と言及。推進力という新たなベースの上に、なでしこ本来の持ち味である緻密な連携を上積みしていく構想を示した。
オンラインで繋ぐ世界基準 南アフリカ戦後に課した「個の宿題」
限られた代表活動の中で世界基準の組織を作るため、指揮官は南アフリカ戦の活動解散時、選手1人1人に課題を与えて見送った。
「活動中にコミュニケーションを取る中で『こういうことをぜひ伸ばしてほしい』『追求してほしい』というような話は個々にさせてもらいました」
世界各国でプレーする海外組の選手たちへのアプローチについても、「現地に出向いて選手を把握して見ていくのが一番の狙い」としつつ、代表活動の準備としてオンラインツールなどを積極的に活用している。「(代表活動が)終わった後にもどういう風にフィードバックしていくか」を常に考え、個々の成長を促すためのサポートを継続している。
内田篤人、近賀ゆかりらコーチ陣の役割を細分化 徹底した「データ戦略」
1年後に向けて強固なチーム作りを進めるうえで、コーチングスタッフの強化と役割の細分化も今体制の大きな特徴だ。
「今回新しいスタッフで言うと、内田(篤人)コーチが大きくは守備的なことを見ながら、近賀(ゆかり)コーチは全体のサポートや攻撃面などを担当しています」
さらに、GKコーチとアナリストの増員にも着手。「キーパーコーチに関しても今回(大阪合宿)は2人体制でやりました」と語り、フィールドプレイヤーのとの連携強化や最後尾からのビルドアップのバリエーションを増やしていく構えだ。
また、アナリストに関しても「自チームと相手チームをより詳細に分析する担当と、個人をどう評価してチームのコンセプトや狙いに対してアプローチするかを担当する2名体制にしています」と、徹底したデータ戦略で「世界一」への歩みを支える。
森保ジャパンから受ける刺激 「帰ったらいろいろと聞きたい」
自宅で世界中のサッカーを常にチェックしているという狩野監督にとって、現在開催中の北中米W杯も当然例外ではない。世界のトレンドを細かくチェックすると同時に、同じ日本代表を率いる森保一監督の采配も参考にしているという。遠藤航や久保建英などの負傷といったアクシデントがありながらも、チームを適切に前進させるマネジメントを称賛した。
「いろんな状況を踏まえたプランをしっかりと準備されて、その中で1つ1つクリアしていっている。森保さんやスタッフ、選手たちは本当にこの先につながる準備を色々とされていると思います」
そして、同じ日本代表の監督しての交流も心待ちにしている。「(大会終了後に)いろんな意見も聞きたいですし、参考にしたいという思いはあります」と意欲を見せた。
なでしこジャパンの新指揮官は、男子代表の熱戦からも大いに刺激を受けながら、1年後のブラジルの地で世界一の頂へと駆け上がる準備を着々と進めている。
(砂坂美紀 / Miki Sunasaka)
















