「絶対に取りますから」有言実行の中村敬斗 恩師が確信したW杯での大活躍「三笘がいなくても」

中村敬斗が大舞台で有言実行の一撃【写真:徳原隆元】
中村敬斗が大舞台で有言実行の一撃【写真:徳原隆元】

中村敬斗の恩師・生方コーチがW杯での活躍を確信

 北中米ワールドカップ(W杯)に挑む日本代表メンバーに選出されたMF中村敬斗(スタッド・ランス)。中学年代から高校年代にかけて所属した三菱養和サッカースクールで指導を受けた恩師・生方修司チーフコーチに、初のW杯でゴールを決めた中村の歩みを聞いた。最後の第3回は、中村がブラジル相手に決めたゴールの舞台裏と、W杯への期待について。(取材・文=FOOTBALL ZONE編集部・上原拓真/全3回の最終回)

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 2025年10月14日、日本が世界に衝撃を与えた一戦。中村は国際親善試合のブラジル戦にスタメン出場を果たすと、後半17分にMF伊東純也からのクロスを右足ダイレクトで捉え、渾身の一撃を放った。ボールは相手DFに当たりながらもゴールネットを揺らし、歴史的勝利に大きく貢献した。

 生方コーチはこの試合を現地で観戦していた。中村がチケットを2枚用意し、娘とともに味の素スタジアムへ足を運んだという。「チケットありがとう、届いたよ」と連絡すると、中村から返ってきたのは「明日絶対に点とりますから」という言葉だった。三菱養和でプレーしていた学生時代から変わらず、大舞台でも有言実行してみせた。

「さすがに今まで有言実行してきたけど、相手がブラジルだったので、さすがに無理だろうなと思って疑ってたんです。それでもあのゴールを決めたじゃないですか。だから『ああ、ダメだ、信じてあげられない指導者だな』と思いながら、もうこれからは絶対に信じようと思いましたよね」

 巣立った先で拍手喝采を浴びる教え子の姿は、指導者としての考え方が変わるほどの出来事だったと、生方コーチは感慨深く振り返る。

「現地で決まった瞬間は『やっぱり決めるんだ』って。すげえなと思いました。ブラジル戦では相馬勇紀とヘンリー(望月ヘンリー海輝)も出てたので、三菱養和を出た3人が代表のピッチに立ってるなんて。もう小便漏らしそうになりましたよ、本当に」

 中村と同じく三菱養和から羽ばたき、日本代表のユニフォームを着たDF望月ヘンリー海輝、MF相馬勇紀(ともにFC町田ゼルビア)にも思いを馳せながら、生方コーチは歴史的勝利の目撃者になった。

 ブラジル戦後には、中村に「お前すごいな」と伝えた。返ってきたのは、「ワールドカップでも絶対点取るから、絶対来てください」という言葉。生方コーチは、中村がこの先のサッカー人生で世界のトップ・オブ・トップへと成長していくことを確信している。その姿を見るためにも、まずは北中米W杯でのゴールを期待する。

「なってほしいというか、もうトップ・オブ・トップの選手になるんじゃないかなというのは確信しています。北中米W杯ではやっぱり点をとってほしい。直前で三笘くんがケガというのもあって、同じポジションだし期待も高まっている。そういう重圧も撥ね退けてやってくれるんじゃないかなって思うんです。『三笘がいなかったから…』と言われるのが本人は一番嫌だろうし。『三笘がいなくても、中村敬斗でよかったよね。それ以上だったよね』と評価される活躍をしてくれると思いますよ」

 生方コーチの期待通り、現地時間6月14日に行われた北中米W杯のオランダ戦で同点ゴールを決めた。初出場のW杯という大舞台でも有言実行の一撃。生方コーチも「まさに取ってくれて」と喜んだ。

 かつて、中学生だった中村が書いたサッカーノートには、「ワールドカップで優勝する」という壮大な夢がびっしりと記されていた。「人生そんな予定通りにいかねえよ!」と一喝した恩師の予想を心地よく裏切りながら、中村敬斗は今、そのノートに刻まれた最大の目標に挑む最中にいる。

(FOOTBALL ZONE編集部・上原拓真 / Takuma Uehara)



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