日本代表は「勝てたんじゃないか」 大久保嘉人が指摘…気になった“消極的”戦い「もったいない」

劇的ドローに持ち込んだオランダ戦

 サッカー日本代表は現地時間6月14日(日本時間15日)、アメリカ・ダラスで行われた北中米ワールドカップ(W杯)グループFの初戦でオランダ代表と対戦し、2-2で引き分け、勝ち点1を獲得した。今大会、「FOOTBALL ZONE」で特別解説を務める元日本代表FW大久保嘉人氏は2度のビハインドを追いついた戦いぶりを評価する一方で、意外な感想も語っている。(取材・文=瀬谷 宏)

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 強豪オランダを相手に2度のビハインドを跳ね返し、貴重な勝ち点1をもぎ取った日本代表。粘り強さが光った一戦だったが、大久保氏の第一声は意外にも厳しいものだった。

「最後、追いついたのは1つの収穫かなと思いますけど、戦い方がスリーバックというかファイブバックにして、ディフェンスで1対1を何回もさせられていた。なんかもったいないなっていうのが、今までの戦いからすればありましたね」

 大久保氏が指摘したのは、前半の消極的な試合運びだ。前線からのプレッシングが持ち味の前田大然を起用しながらも、チーム全体としてブロックを低く設定してしまった点に疑問を呈す。

「前田を入れたんだったら、前からやっぱりはめていくのかなって思っていたんです。初戦で相手がオランダということで、『負けられない』『先に点を取られたくない』という意識はあったと思うんですよね。だからブロックを組んでやりたかったんだと思うんですけど、やっぱちょっとブロックを組む位置が低すぎた。パスミスなどでなかなか繋げないし、(フレンキー・)デ・ヨングのところでキープされて左右に散らされていたのは、ちょっと大きかったかなという気はしました」

 それでも、苦しい展開を強いられながらも、後半にシステムや選手交代でテコ入れを図り、最終的に同点に持ち込んだ采配と選手たちの勝負強さには、大久保氏も手放しで賛辞を送る。

「それはめちゃくちゃ評価できますね。今までの代表だったら負けているところを、同点に追いついて、また取られて、最後の最後で追いつき切るっていうのは。やっぱり、今後のための勝ち点1というのはデカい。決勝トーナメントに行くための戦いとしては、すごく大きな勝ち点1です」

 起死回生の同点弾を生み出すなど、流れを変えた要因として大久保氏が挙げたのは、途中出場の伊東純也だ。「伊東純也をあそこで右に入れて、スピードを生かすっていうところがやっぱ一番大きかったのかなと。ジョーカー的な役割として良かった」と、背番号14の働きを称えた。

 さらに、前回大会(カタールW杯)のドイツ戦やスペイン戦を彷彿とさせるような試合展開について、チーム内に確固たる自信が根付いていると分析する。

「前回大会も、前半は本当に内容が悪すぎて『これ大丈夫か?』って思っていたところを後半立て直していった。今回もそんな感じが見られたんで、選手たちにはその自信があったと思うんです。『1点が必要だ』と思った時には、ギアを上げていくぞっていう感じはありましたし、見ている方も『なんかいけるんじゃないかな』って少しは思ってましたからね」

 試合終了のホイッスルが鳴った瞬間、中継映像に映った鎌田大地が見せたガッツポーズに象徴されるように、チームの雰囲気は決して悪くないと大久保氏は見ている。「落ち込んではなかったし、勝ち点1は、チームとしては雰囲気を悪くはないなと。私としてはは『勝てたんじゃないかな』とも思いましたけど、突破するには勝ち点1は大きいんで、ここはもうポジティブに捉えていい」と太鼓判を押した。

 グループリーグ突破に向けて、次戦のチュニジア戦は極めて重要な一戦となる。大久保氏は、初戦の反省を踏まえ、日本らしいアグレッシブな戦いへの回帰を期待している。

「次がめちゃくちゃ大事になる。だからもう、チュニジア戦は最初からバンバンいけるんじゃないかなと。海外でしっかりプレーしている選手がいっぱいいるので、4年間、8年間積み上げてきたものがある。そこは自信を持っていいと思うし、今までそういうサッカーをしてきたからこそ、ワクワクして見られたので」

 強豪相手に勝ち点1をもぎ取り、最低限の結果を手にした森保ジャパン。大久保氏が期待する「ワクワクするサッカー」で、次戦チュニジアから勝ち点3を奪うことができるか。真価が問われる一戦だ。

(瀬谷宏 / Hiroshi Seya)



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