上田綺世や鎌田大地は「脅威になり得る」 オランダ記者が明かす本音…連勝街道の日本を「相当警戒」

オランダ人記者にキーマンと日本代表について聞いた
日本代表は現地時間6月14日(日本時間15日)、北中米ワールドカップ(W杯)の初戦でオランダと対戦する。オランダ最大のサッカーメディア「Voetbal International」でリポーター、司会者、カメラジャーナリストを兼務する専属ジャーナリストのカルム・ファン・アウトへウスデン氏に、前編でチームが抱える構造的な課題を語ってもらった。後編では、本大会でキーマンとなる選手と、グループステージで対戦する日本代表への見方を聞いた。(取材・文=林遼平/全2回の2回目)
タレントを擁しながら結果を出しきれない状況が続くオランダだが、それでもアウトへウスデン記者が期待を寄せる選手がいる。それは中盤の選手たちのクオリティだ。
「フレンキー・デ・ヨングに注目しています。EURO(欧州選手権)を含め、怪我で多くの試合を欠場してきましたが、ライアン・フラーフェンベルフやタイアニ・ラインデルスとの中盤は本物のクオリティを持っています。ただ、もっと連動・連係しなければなりません。フレンキーがチームの司令塔として機能すれば、改善されるかもしれませんね」
怪我のリスクを抱えながらも、デ・ヨングの存在がチームの浮沈を左右する最大のポイントであることは間違いない。中盤の連動という観点でも、彼の役割は重要だ。フラーフェンベルフとラインデルスが個人としての高いクオリティを持ちながらも、真の意味でチームとして機能するためには、司令塔となる存在が不可欠。その答えが、デ・ヨングに集約されている。
コンディション次第という条件はつくが、デ・ヨングがいてこそのオランダだという見立ては、現地でチームを見続ける記者の確信でもあるようだ。
一方、対戦相手となる日本に対してはどんな印象を受けているのか。アウトへウスデン記者の言葉はより具体性を帯びた。
「日本代表は高く評価されています。オランダのリーグには非常に多くの日本人選手がいて、みな安定した、もしくは非常に高いパフォーマンスを発揮しています。NECナイメヘンやフェイエノールト、そして最近はアヤックスも日本のリーグから選手を獲得しています」
エールディヴィジに多くの日本人選手が在籍していることが、オランダのメディアやファンの日本代表への解像度を高めているという。単なる「アジアの強豪」という認識ではなく、個々の選手の特徴まで把握した上での警戒感だ。
「日本の素晴らしい連勝街道を見ています。オランダは実際、日本との対戦を相当警戒していると思います」
その言葉は、リップサービスには聞こえなかった。また、注目する日本人選手として、2人の名前を挙げた。
「カンファレンスリーグの決勝で鎌田(大地)を見ましたが、なかなか印象的でした。上田(綺世)は一流のストライカーで、エールディヴィジ得点王です。彼らは脅威になり得ます」
鎌田の技術と判断力、エールディヴィジで結果を残してきた上田の得点力はオランダとしても、かなり警戒を強めているようだ。日本人選手を日常的に見てきたからこそ、その脅威を肌で知っている。アウトへウスデン記者の言葉には、そういった重みがあった。
オランダが抱える課題と、高まる日本への警戒感。W杯本番で両チームがピッチで相対したとき、何が勝敗を分けるのか。オランダとの初戦は現地時間14日、その答えはもうすぐ出る。
(林 遼平 / Ryohei Hayashi)

林 遼平
はやし・りょうへい/1987年、埼玉県生まれ。東日本大震災を機に「あとで後悔するならやりたいことはやっておこう」と、憧れだったロンドンへ語学留学。2012年のロンドン五輪を現地で観戦したことで、よりスポーツの奥深さにハマることになった。帰国後、サッカー専門新聞『EL GOLAZO』の川崎フロンターレ、湘南ベルマーレ、東京ヴェルディ担当を歴任。現在はフリーランスとして『Number Web』や『GOAL』などに寄稿している。
















