10時間の過酷移動で「神経系にダメージ」 札幌→仙台→新潟…J2クラブの“死活問題”

札幌の川井健太監督【写真:Getty Images】
札幌の川井健太監督【写真:Getty Images】

札幌の川井健太監督「課題は攻撃というよりも移動だなと思いました」

 北海道をホームアイランドとする唯一のJクラブ、北海道コンサドーレ札幌には避けられない試練がある。札幌は6月6日、J2・J3百年構想リーグのプレーオフラウンド第2戦でアルビレックス新潟と対戦。0-0からのPK戦の末に敗れる結果となってしまったが、川井健太監督が試合後の会見で「課題」を明かした。

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 はるばる新潟まで訪れたサポーターに対し、「申し訳ないという気持ちでいっぱい」と語った川井監督。一方、「先週もアウェー秋田に行って、今週も新潟というところでは、コンディションに苦しんだ試合でしたし、そういう意味では選手をしっかりと称えたいと思います。そういう試合でした」と総括した。

「1つ課題が出たなというのは移動。このプレーオフは難しくて、昨日も我々は8時過ぎに新潟に着いたんですけれども、結局9時間10時間かかって来ていると。これはクラブの力でなんとかなると思いますし、プレーオフの日程が1週間前に決まったので。なので課題は攻撃というよりも移動だなと思いました」

 試合前日の5日、チームは午前8時40分に宮の沢白い恋人サッカー場でトレーニングを開始。そのまま新千歳空港にバスで移動したが、航空機の遅延に巻き込まれた。その後、無事に仙台空港に着陸したが、今度はバスで約3時間かけて新潟へと移動。ホテルに到着したのは午後8時過ぎだったという。

 こうなってしまったのには理由がある。プレーオフの対戦相手が決まったのは1週間前。さらに2週間前まではあらゆる可能性があった。クラブ関係者によると、様々なパターンを想定して予約を抑えていたというが、新千歳空港から新潟空港への直行便は本数も定員も少ない。やむを得ず仙台へ移動したわけだ。

 さらに航空機の遅延にも巻き込まれたのは不運としか言いようがないが、これも初めてのことではない。昨年5月11日に行われたいわきFC戦でも仙台空港行きの航空機が新千歳空港に引き返し、羽田空港へ振り替えに。いわき到着が深夜になったこともあった。そうした移動時間の負担を川井監督はこう分析する。

「今、科学的根拠のなかで絶対ではないですけれども、移動時間が長い、座っている時間が長いと、ここでの具体的な話はできないですけど、神経系にダメージを与える。その神経系のダメージを与える、疲労させることによって筋力のパーセンテージが出にくいであったり、そういうものも出ているんです」

 それに加え、アウェーの地では普段の練習環境とは違う気候での試合を強いられる。「日本特有の暑さ、気候が変化している部分であったり、北海道にはない湿度。そういう暑さ対策も含めると、僕は初年度ですけど、人体的に影響を及ぼすような、そういう状況にもなるなと思っている」と川井監督は明かす。

 全クラブ最多となる5回ものJ1昇格を達成している札幌だが、意外にも昇格プレーオフを経験したことは一度もない。「そういうところはまた、クラブと話をして進めていきたいなと思いますね」と川井監督が語ったように、今回のプレーオフを経験したことで、新たな課題が出たというのはポジティブだろう。

 また、今シーズンから札幌に加入したGK田川知樹も、移動について聞かれると「大変かと言われると、やっぱり大変は大変です」と答える。「アウェーのときは、そういう移動も踏まえたコンディショニング、というのを意識しています」と明かし、選手たちも各々で負担軽減のための対策を講じているという。

 新千歳空港からの移動が比較的容易な関東、関西のクラブが大半のJ1と比較し、特にJ2は東北や四国、九州のクラブが多い。そのため、移動の負担という面でも早期にJ1へと昇格しておきたいところ。やはりアウェーよりも有利な状況で戦えるホームの勝率を上げるべく、大声援での後押しは欠かせないだろう。

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