三浦知良、プロ41年目は「全然ダメ」 87分出場も…吐露した苦悩「チームに関われていない」

福島の三浦知良【写真:荻島弘一】
福島の三浦知良【写真:荻島弘一】

「チームに関われていない。チームが理想とするプレーができていなかった」

 J3福島ユナイテッドFCのFW三浦知良(カズ、59)が「プレ還暦シーズン」を終えた。カズは6月7日、ホームのとうスタで行われた百年構想リーグプレーオフ第2戦のFC琉球戦に先発出場。前半21分までプレーしたが、攻撃では見せ場を作れなかった。チームは1-1からのPK戦5-4で勝ち、33位でシーズン終了。今季6試合出場無得点のカズは、J2昇格を目指す「還暦シーズン」に向けて「成長したい」と話した。

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 5月6日の藤枝MYFC戦以来、今季4試合目の先発出場。序盤から琉球の攻勢にあい、福島自慢の攻撃的なパスサッカーが封じられた。最前線のカズも自陣で守備に追われる場面が目立ち、攻撃で見せ場を作ることはできず。前半は劣勢が続き、36分に先制点を許した。

 それでも相手の圧力が弱まった後半は巻き返し、終了間際にはFW樋口寛規がPKを決めて同点。延長も優勢に試合を進め、GK安西駿の活躍などでPK戦を制した。シーズン序盤は苦しんだものの、地域リーグラウンド終盤からは6試合で5勝1敗。カズも「順位的には厳しいけれど、後半戦は勝てるようになってきた」とチームの成長を感じて話した。

 もっとも、自分自身のプロ41年目のシーズンについては「全然ダメでしたね」と悔しそうに振り返った。キックオフから時間限定でプレーする革新的な「オープナー」起用で4試合、交代出場2試合と合わせて6試合87分出場したが、シュートはわずか1本。寺田周平監督から期待される「ゴールに絡むプレー」もほとんどできなかった。

「チームに関われていない。チームが理想とするプレーができていなかった。寺田さんのサッカーは全員がボールに関わるというものだけれど、あまり関われなかった」と自身のプレーを評した。選手の距離感を大事に、細かくパスをつなぐサッカーは「おもしろいし、勉強になる。練習も楽しい」と言いながら「その成果が出せなかった」と振り返った。

 この日も先発したものの、21分に交代。2月の開幕戦に先発した時も20分で交代し、その後も20分前後でピッチを去るなど出場時間は伸びていない。「開幕戦のときから比べるとコンディションはあがっているし、出場時間は増やしたいと思っている。でも、増やせられないのは自分の力不足」と話した。

 変則的な特別リーグとなったシーズンを振り返りながら、来季に向けての意気込みも口にした。リーグ戦の最中となる来年2月に60歳を迎える「還暦シーズン」。横浜FCからの期限付き移籍は今月末までだが、2026-27年シーズンも延長されるのが既定路線。2シーズン目となる来季に向けての思いも口にした。

「攻守に渡って練習からボールへの関わりを多くするのが課題。出場時間を増やしていくために、もっとプレーの質を高めないといけない」

 来季に向けての青写真も明かした。チーム練習は8日で一区切りだが、13日のオールスター戦に向けてミニキャンプで練習を続ける。14日からは短いオフでリフレッシュ。「1週間で、ちょっとフィーバーできたらいいなと」。最近ではあまり聞かない「フィーバー」という言葉で「還暦シーズン」への助走を説明した。

 1週間のオフの後は、自主トレを敢行。「まずシーズンに向けてのコンディションを整える」。万全の状態でチーム練習をスタートさせ、8月上旬のJ3リーグ開幕に備える。

 もちろん、11日に開幕する北中米ワールドカップ(W杯)も「楽しみにしている」。日本時間の15日早朝5時からは日本代表の初戦、オランダ戦があるが「ちょうどフィーバーできる期間なので、寝ないで見るかも」と笑いながら「応援するよ」と力を込めて話した。

「全然ダメ」というシーズンを終え、新たなシーズンに挑む59歳のカズ。「もっとうまくなりたいし、成長できたらと思う」。サッカーに対する情熱は、少しも衰えることがない。

(荻島弘一/ Hirokazu Ogishima)



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荻島弘一

おぎしま・ひろかず/1960年生まれ。大学卒業後、日刊スポーツ新聞社に入社。スポーツ部記者として五輪競技を担当。サッカーは日本リーグ時代からJリーグ発足、日本代表などを取材する。同部デスク、出版社編集長を経て、06年から編集委員として現場に復帰。20年に同新聞社を退社。

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