優勝直後の警鐘「できるのは今日まで」  守護神が抱く危機感…新ルールへ「順応していくことが大事」

好セーブを連発した神戸の権田修一【写真:徳原隆元】
好セーブを連発した神戸の権田修一【写真:徳原隆元】

J1百年構想リーグは神戸が優勝

 6月6日に行われたJ1百年構想リーグ・プレーオフラウンド第2戦で、ヴィッセル神戸は鹿島アントラーズに0-2で敗れたが、2試合合計スコアでは5-2と逃げ切り、同リーグ優勝の栄冠を勝ち取った。初戦を5-0で勝利して優位な状況だったものの、試合のマン・オブ・ザ・マッチにも選出されたGK権田修一の活躍がなければ、試合は難しいものとなっていただろう。

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 開始早々の3分、神戸はいきなりのピンチに見舞われる。同リーグで10得点の鹿島FWレオ・セアラがDFを振り切って抜け出し、権田と1対1。しかし、放ったシュートは権田の好反応に防がれた。これにはレオ・セアラも、「相手の最終ラインが高いことはわかっていたので、練習からその裏を狙う形に取り組んでいました。それが出たシーンでしたし、デュエルにも勝ちきってシュートまでいけたのですが、自分のシュートミスというよりも、相手のGKも良いプレーをしました。このシーンだけではなく、今日は相手のGKはものすごく当たっていたので、上回られた部分だったと思います」と悔しがった。

 一方の権田は「2点取られているのでそこは反省点がたくさんありますが」と前置きしつつも、「僕のなかでは、いかに想定外にしないかが大事でした。彼がシュートまで持ってくる、そして良いコースに打ってくるという準備が自分のなかでできていました。あとは、自分が大事にしているボールに対して待たないでアタックすること、構えた時の角度でコースを切るなど、練習から自分自身が意識しているところを、ここでやるだけでした」と普段通りのプレーを心がけたという。

 そのうえで「逆にそれしかできないので。急にクルトワみたいなセーブはできないし、急に新しいことはできないので、普段からこだわるところにはこだわって、そのやってきたことを出すことが、そのシーンに関してはできたかなと思います」と、ビッグセーブを振り返った。

 ゴールを守って試合の流れを相手に渡さなかった権田の活躍は誰もが認めるところだ。だが、本人は「第1戦で彼(大迫勇也)がハットトリックをしてくれたおかげで、その3点が丸々、僕らのアドバンテージになっていた。攻撃陣が初戦で5点取ってくれたことがすべてです」と、改めて大迫ら攻撃陣を称賛した。

 それでも「ただ、2戦目が難しかったことは事実。5点リードで、鹿島があれだけ圧をかけてきて、ピンチは何回かあるかなとはイメージしていました。2点取られて試合には負けてしまいましたが、最少失点に抑えることが監督に使ってもらって、与えられている仕事なので。今日も勝って終われれば良かったですが、トータルで上回れたのは良かったです」と、喜びよりも安堵に近い様子だった。

 この試合で神戸は徹底して最後尾からロングボールを入れていった。権田も最大限に時間を使いながら、ゴールキックを前方へ送り続けた。FW大迫勇也やFW武藤嘉紀ら、前方にターゲットとなり得るフィジカルの強い選手がいるからできる神戸の戦い方であり、同時にしたたかに時間を使っているようにも見えたが、「僕が、このスタイルでできるのは、今日までだと思っている」と、権田は2026-27シーズンに向けて警戒する。

「ルールが来シーズンから変わるので。チームとしても、もう少しロングボールだけじゃなくて、ボールを持つ時間を増やすようなチャレンジを、もしかしたら本当にしていかないといけないかもしれない。DFラインが前まで上げてセットするのを待たないと、ロングボールが多いチームは蹴れない状況なので、ルールが変わって10秒以内にゴールキックも入れないといけなくなると(それができない)。そういうところを含めて、僕らはもっとブラッシュアップしないといけない」

 権田は「どうしても今はロングボールが多いのは見ていて分かると思いますし、逆にあれだけ時間をかけないと前線の選手も疲弊してくる」と自覚している。そのなかで「来シーズンに向けては、キャンプからチームとして新しいルールに順応いくことが大事だと思う。今日はルール上、可能な範囲時間が使えるように意識しましたが、そこはもう1つチームとして成長して行かないといけない部分だと思う」と新ルールへの対応の重要性を口にした。

 百年構想リーグのタイトル獲得に喜ぶ一方で、シーズン移行後の最初のシーズンで勝つために何をすべきか――。4年前のカタールW杯で日本を救う好セーブを見せた守護神は、早くも次を見据えている。

(河合 拓 / Taku Kawai)



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